平成20年度 社会貢献者表彰
社会貢献の功績
かごしまじょうほうこうとうがっこう むせんかがくぶ
鹿児島情報高等学校 無線科学部
(鹿児島県)
昭和53年から鹿児島県の離島を訪問し、技術のボランティアとして家庭電化製品無料修理を開始し、63年からは電気店のない離島に絞って活動を行っている。当初は学習や部活動で得た知識の実践が目的であったが,故障の製品が修復できたときの依頼者の喜びや修理者の満足感などで、その後30年間も続けられている。
昭和53年、鹿児島情報高校無線科学部の技術を家庭電化製品の修理などを行なうことにより、地域に生かしたいと近隣の市から修理ボランティアの活動を始め、種子島や喜界島などの離島を回っていたが、63年からは三島村や十島村、小宝島など電気店のない11の離島に絞って活動を行っている。
部員は公民館に宿泊、自炊しながらの活動であるが、島の人々との温かい交流は30年間続いており、地区の住民からは大変喜ばれている。
学習や部活動で得た知識の実践が目的であったが、故障の製品が修復できたときの依頼者の喜びや修理者の満足感などが力になり修理活動が続いている。
ボランティアの方法は修理依頼書を事前に配布し、製造会社名や故障の状態などを提出してもらう。報告書をもとに部活動の中で故障原因などを検討し、故障箇所や故障部品を予測し、部品を予め準備して現地に持参し修理をしている。 実際は、修理依頼書のない飛び込みの修理も多数あり、部員全員で修理に取り組んでいる。 100%の修復はできていないが、依頼者には思い入れの深い大切な製品を再生させるなど、大きな成果を残している。
今年は活動を30年間指導し、退職された元教諭にOB 2名を加えた部員10名と引き継がれた教諭により三島村の黒島で、夏休みを利用した6泊7日の修理サービスを行った。鹿児島から船で約6時間、10年ぶり3回目の訪問となった。20台以上の持ち込まれた電化製品や直接依頼者宅へ出向いての出張修理も行なった。
例年通り食料を持っての自炊生活での活動であったが、島民からの差し入れもあり交流も図るなかで、部員たちは「喜んでもらえるよう、伝統を引き継いでいきたい。」と意欲を燃やして活動を続けている。
(功績の概要・推薦者:山口 修)
Wireless Science Department Kagoshima High School of Information Technology
(Kagoshima Prefecture)
Students visit remote islands and repair various electric
appliances for the residents of the islands where there is no electric
shop which provides repairing services. It originally started with the
purpose to actually implement the knowledge in reality but because of the
satisfaction that the students receive from this exercise, this program
has been continued for more than 30 years.
Recommended by: Mr. Osamu Yamaguchi
受賞の言葉
無線科学部の先輩から後輩へ、伝統を引き継いだ離島での技術のボランティア活動が31年目になりました。島民にとって想いの深い電気製品が修理できたときの喜び、島民との交流などが活動の力になっています。今回の受賞は大変栄誉なことであり深く感謝申し上げます。歴代の先輩の活動に感謝するとともに、今からの後輩にも引き継いで行きたいです。