社会貢献の功績
坂口 平
坂口さんのボランティア活動へのきっかけとなったのは、平成3年の中学生の頃、ある福祉施設でのボランティア宿泊体験に参加した時に、施設を利用する人が入れてくれた朝のコーヒーであった。「誰にも頼まれていない。その人が感謝の気持ちで活動に来てくれた人へ出してくれた一杯のインスタントコーヒー…」その心遣いに感激し、「ボランティア」を身勝手にしていた自分に、「ボランティアとはひとの気持を大切にすることである」と気づかせてくれたことであった。
高校1年の時には、若い世代からボランティア活動を広げていくという目的で、高校という学校の枠に捉われない、地域に根ざしたボランティア団体「Young Volunteer club」を立ち上げ代表を務めた。福祉施設や在宅障害者の外出付添いなどのボランティア活動を行った。
大学時代には阪神淡路大震災の復興支援活動で、出会った人達の活動に取り組む姿勢とボランティアに関する考え方に影響を受け、若者が当たり前のようにボランティア活動に参加できる「ひとの輪」の構築とその育成に関わるようになった。「パラリンピック長野大会」にもボランティアとして参加した。
社会人になってからも「スペシャルオリンピックス長野大会」の支援活動に参加するなど障害者の支援活動は多岐に渡っている。
一般企業にも勤めたが、福祉への志を捨てきれず障害者施設の職員へ転身し、障害者福祉に携わる一方で、地域のボランティアを受入れるボランティアコーディネーターとしても活躍している。
現在は、自分のボランティア活動体験を下に、小学校や中学校で障害者の人権やその支援のボランティアについて講演活動を行っている。また長野県学生ボランティア研究集会では、開催の発起人として青少年ボランティアのネットワークの必要性を長野県の社会福祉協議会(社協)や関係機関に投げかけるなど、県下の青少年ボランティアの育成に大きく貢献している。その成果として長野県内の市町村社協の協力を得て、高校生の三つのボランティア団体が立ち上がり、それぞれの地域で活動を開始している。
新たに平成17年には、前身の「Young Volunteer club」を引き継いで設立した「Young Volunteer Network」ではアドバイザーを務め、自らも率先して活動に参加するとともに会員以外の青少年についてもボランティアへの相談活動を行っている。
坂口さんは「ボランティア活動が、自分を成長させてくれる。生きる力ともいえる可能 性を与えてくれる」と活動を続けている。
受賞の言葉
このたび私のような若輩者が社会貢献者表彰という過分な賞を受賞できましたことは、驚きであり、誠に光栄です。
16年にわたり活動を継続できたのは、両親や兄姉、希望をくれた親友、活動を通して出会った方々や青少年の活動を応援して下さる方々、職場の上司や同僚、そしてネットワーク構築を目指す「ボランティア」をキーワードに集う仲間たち、本当に多くのひとの支えがあったからです。
この賞に恥じないよう、今後もボランティアをはじめ社会貢献活動を行う青少年と共に「輪」をつなげながら、一歩ずつ成長し歩んでいきたいと思います。
ありがとうございました。