第三分野/特定分野の功績
横田 宗
平成6年2月、高校3年生だった横田さんはフィリピンのピナツボ火山で施設が壊れ生活環境が悪化した孤児院「ジャイラホーム」を訪れ修復に協力したが、一人で支援出来ることの限界を感じ、次に戻って来るときには多くの仲間と共に支援と交流のためのワークキャンプを行おうと決意した。
同年、亜細亜大学にボランティアの一芸で入学し、ボランティアグループACTION(A Child's Trust Is Ours to Nurture)を設立。5月から7月に行われた武蔵野市国際交流協会主催の青年のための国際理解講座にスタッフとして参加し、ジャイラホーム支援のためのワークキャンプ参加を呼びかけた。その呼びかけに大学生、社会人15名が賛同し、同年9月に第1回のワークキャンプが行われた。大学2年にはインドの孤児院、3年次には1年間休学をして、半年間アフリカの孤児院をまわり、残りの半年はジャイラホームの職員として活動した。ジャイラホーム滞在中には同施設があるカスティリヤホス行政区の青少年教育の一環として空手教室を開催し、青少年育成功労賞を授与された。
横田さんは平成11年1月、卒業を控えてACTION事務局を武蔵野市に設け、現在専従の代表者として活動している。フィリピンにも事務局と日本人専従職員1名、フィリピン人専従職員5名を置いている。平成13年5月現在の会員数は170名。年間事業費は2,000万円弱で会員からの会費、ワークキャンプ登録費、補助金、寄付金などで賄っている。
ACTIONでは、平成13年9月までに計19回のキャンプを開催し、崩壊した壁の修復、ガレージ兼作業場の建設、下水道の設置、子ども部屋の模様替え、居住用コテージの建設、バスケットコートの設置、協会の建設等を行ってきた。キャンプ参加者は延べ約500人を数える。現地の子どもたちも参加者との交流を待ちわびるようになった。施設の建設資金には国などからの助成金と寄付金、キャンプ参加費の一部が充てられる。
また、平成11年から火山灰で陸の孤島になったフィリピンのバリウエット村に住む先住民族アエタ族の自立のために、植林や薬草園の整備等に取り組んだり、平成10年から12年までルーマニアの孤児院で、現地ボランティアを育成するためのワーキングキャンプを開催するなど、その活動は多岐にわたっている。
【脚注】
ACTIONホームページ
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/action-hajime/