平成13年度 社会貢献者表彰
第一部門/緊急時の功績
おおいちょうぼうはんたい
大飯町防犯隊
(70名/隊長 濱田 康夫)福井県大飯郡大飯町
隊長 濱田 康夫
平成11年3月6日、福井県大飯郡大飯町の大島漁港に韓国籍の木造船が接岸、中国人の集団密航事件が発生した。県警による緊急配備が敷かれ、現場に急行した大飯町防犯隊は警察と協力して、逃走した密航者の身柄確保に尽力、昼夜の捜索を行い、8日に65名全員の逮捕となった。
推薦者:大飯町
平成11年3月6日午前6時10分ごろ、福井県大飯郡大飯町の大島漁港岸壁付近を通ったバスの運転手から「不審な木造船が接岸し、船内から人がぞろぞろ出てきている」と町に連絡があり、県警と地元の警察署は、集団密航事件とみて緊急配備をする一方、町は治安維持の観点から、防犯隊の出動を命じた。警察は韓国船籍の木造船・チャンジン号(32トン)を発見し、船長と乗組員3人そして現場周辺にいた中国人を逮捕したが、船長の証言から64名にのぼる密航者が山中や民家に逃走していることが判明。地元の地理に詳しい防犯隊員が班編成を行い、地元住民から逃げた方向の情報を収集するとともに、警官とペアになって山中を中心に捜索し、6日に男性28人、女性29人の計57人を取り押さえた。7日、8日と継続された昼夜の捜索で、逃走した密航者8人を取り押さえ、65名全員の逮捕となった。
大飯町防犯隊は昭和30年に町の条例によって結成され、以来45年にわたり住民の防犯思想の普及向上と防犯活動を推進してきた。隊員は大飯町の51の地区から地区長の推薦等で選ばれ、今回のような緊急時の活動以外に、夜間パトロール等の活動を行い、定期的に警察等と連携して訓練を行い、町の安全のために尽くしている。また、年末年始や夏祭りの大火勢の際にもパトロールを行うため、隊員たちは家族との団欒の時間を犠牲にすることも多い。今回の活動は、危険を承知で身を挺してのものであり、また密航者全員を逮捕し、しかも短時間でスピード解決した例は数少ない。