受賞者紹介

第58回 社会貢献者表彰
えぬぴーおーほうじん さっぽろびすけっとくらぶ

NPO法人 札幌微助人倶楽部

(北海道)
NPO法人 札幌微助人倶楽部 会長 児玉 芳明
会長 児玉 芳明

高齢化や核家族化が進み、個人だけでは解決できない事や困り事、要介護者への公的サービスだけでは補えない事に、地域のみんながお互いにささやかに助け合おうと26年前に設立された生活支援有償ボランティア組織。その名の通り、日々のちょっとした困りごとに会員同士で助け合おうと、要請を受けた事務局は“助人(すけっと)”をマッチングする。現在950名を越す会員は、「今は助ける側でも将来は助けられる側にもなる」と依頼者・対応者両方が登録している。依頼の内容は様々で、ワクチン接種や通院の送迎、保育園の送り迎え、庭仕事、本の朗読、そして土地柄多いのが除雪作業。送迎サービスはタクシー料金のほぼ半額で送り迎えしている。有償ボランティアにすることで依頼する側、される側双方の遠慮や気遣いを払拭する。まさに共助の理想的な関係を作るシステムであり、今後、札幌モデルとして全国展開が期待される活動。

推薦者:筒井 哲雄

笑顔いっぱいの社会をつくりたい

「妻にがんが見つかった時、二人の子どもを抱えて大変な毎日になってしまいました。その時、食事づくりに来てくれたのはびすけっとのHさん、Mさん、Iさんでした。どんなに助かったことか」「私は87歳の元教師です。老人性眼底出血で失明して好きな読書が出来なくなりました。しかし今はYさんに週2回3時間、ボランティアとして朗読に来てもらっています」「足腰が衰えて外出が出来ません。びすけっとの移送サービスのおかげで教会へ行けるようになりました。行き帰りの車中での会話も楽しみです」

「フリーのライターです。コロナ禍で仕事が減りました。時間が出来たのでボランティアに挑戦しようと移送サービス・ドライバーになりました。いつかは自分も助けが必要になるときのことを考えて、これからはパソコンとハンドルの二刀流です」「お年寄り宅のお掃除、食事づくり~あなた、頑張っているねと経験豊富なお姉さまたちに言われながら楽しんでお手伝いをしています」

NPO法人札幌微助人(びすけっと)俱楽部の活動では、こうして支えられる人も支える人も笑いで会話が広がります。私たちはこうした笑顔を、もっともっと広げていきたいと思っています。介護保険、医療保険などの公的サービスでは足りない部分を補いながら、お互いに笑顔を見たいのです。それがあれば、孤独になりがちな超高齢社会を、だれもが乗り越えていけます。

私たちの倶楽部には札幌にいるフィリピン女性や北大の学生さんたちも支え手会員になってくれています。在日外国人も若者もやがては助けが必要になります。もっともっと会員の幅を広げ、社会の潤滑油となって心豊かな社会づくりをしていきたい。それが願いです。

今回の授賞式の懇談会や祝賀会の席で受賞者の皆さまの活動を知ることが出来ました。ハンセン病回復患者に寄り添い交流している方たち、お遍路さん小屋を58棟も作り上げたプロジェクト、最貧国のマラウイで学校給食支援をしているNPOなどを知り、胸が熱くなりました。汚れた川を30年にわたった清掃で清らかな川に再生させた静岡県のグラウンドワーク三島の皆さんには頭が下がります。より良い社会を目指して全国各地で活躍している仲間が大勢いることを知り、背中を押してもらい、これからの励みになりました。

会長 児玉 芳明

  • コロナ禍でも助け合い作業を支援する事務局員
    コロナ禍でも助け合い作業を支援する事務局員
  • コロナ禍に負けずにがんばっています
    コロナ禍に負けずにがんばっています
  • 会員同士で交流会を開いています
    会員同士で交流会を開いています
  • 札幌市から福祉ボランティア奨励賞を受けました
    札幌市から福祉ボランティア奨励賞を受けました
  • 支えられる人(右)も支える人も笑顔がいっぱい
    支えられる人(右)も支える人も笑顔がいっぱい
  • 車イスの会員を病院へ送り迎えしています
    車イスの会員を病院へ送り迎えしています
  • 送迎サービス・ドライバーさん対象の安全講習会
    送迎サービス・ドライバーさん対象の安全講習会
  • 北海道からまちづくりコンクール表彰を受けました
    北海道からまちづくりコンクール表彰を受けました
「ひとしずく」社会課題に立ち向かう方々を応援するサイト