BLT子ども食堂
“家族団らん”をテーマに毎月1回お弁当の無料配布と同時に「わらしべ長者」物々交換会を実施。困窮家庭のみを対象とせず、誰でも参加でき、子どもも大人も含めた家族全員分を提供している。福島市内の220世帯が会員登録しており、毎回400.600人以上が利用、並ばずに希望の時間帯に受け取ることができる。食料配布や物々交換の準備は有志のボランティアが仮装して行い、時には、協賛の屋台やお菓子等のプレゼント配布もある。創設者の吉成洋拍さんは「長蛇の列に並び施しを受けるような形だと、周りの目が気になり本当に受け取って欲しい人に届けられない」と、だれもが気軽に参加できるお祭りのように開催している。BLTカフェを拠点とし、「お互いさまチケット」(ペイフォワード)で無料のハンバーガーセットや「みんなの食糧庫」(フードドライブ)を設置するなど繋がりのある社会を目指している。吉成さんは「善意の循環」を掲げ活動していたが、夢半ば2021年5月に他界。恩送りの想いは仲間に受け継がれ、全国の10箇所でペイフォワード制度が導入され、「みんなの食糧庫」は福島県内では2箇所、全国では20箇所で取り組みが始まっている。吉成さんの恩送りの想いは100箇所を目指し、地域社会へと広がっている。
この度は、栄えある社会貢献者表彰を受賞させていただき、誠にありがとうございます。
財団の皆さま、ご推薦、ご尽力くださいました皆さま、ご寄付協賛してくださる皆さま、そしていつも活動を支えてくださるボランティアの皆さまに心から御礼申し上げます。
BLT子ども食堂の活動テーマは「家族団らん」です。子どもだけではなく、『昔、子どもだった方』つまり大人も対象です。子ども食堂の日だけは家族みんなで同じものを一緒に食べる。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん家族みんなで一緒に食卓を囲み『家族団らんのひと時』を過ごしてほしい、そんな想いが込められています。
子ども食堂で食事を配布した後、あるお母さんからMailをいただきました。
「毎日、仕事と家事と子育てととても大変です。イライラしてしまい子どもたちに大きな声を出してしまったこともありました。疲れているからとはいえ、自己嫌悪に陥ってしまいます。子ども食堂の日、食事の支度をしなくていいということだけで私の気持ちは驚くほど軽くなり、久しぶりに家族みんなで食卓を囲みました。みんなで食べる食事は、本当においしかったです。」
Mailを読んで、『私たちがはじめた子ども食堂は、間違っていなかったね』と温かい気持ちになりました。
子育て世代が苦しんでいるのは経済的困窮だけではない。保護者が抱えるストレスを少しでも緩和できる存在になれたこと、保護者の笑顔が子どもたちの笑顔につながること、多くのことを学ばせていただいたMailでした。
BLT子ども食堂は、吉成洋拍が創造した『お互い様の街ふくしま』活動のひとつです。
ほかに、次のお客様の分の食事代を支払う「ペイフォワード」制度、自分たちでは食べきれない食材等を、必要としている方に提供する「みんなの食糧庫」
この3本の柱から「お互い様の街ふくしま」は成り立っています。
東日本大震災を経験し、原発事故の避難者が過ごす体育館で長期にわたり炊き出しボランティアをし、「福島復興」のためにNPO法人理事としても活動を続けてきた吉成。そんな彼が『発想』し、築き上げた活動を、こうして認めていただけたこと、本当に感謝いたします。
吉成洋拍は2021年、志半ばで急逝いたしました。これからも彼が遺した『お互い様の街ふくしま』の精神を紡いでゆきたいです。そして今、各方面に撒いていった小さな種が芽吹き始めています。そのすべてを具現化することはできないかもしれませんが、支えてくれる支援者、ボランティアさんの力を借りながら私なりに『想い』を育み、繋いでいきたいと思っています。ありがとうございました。
代表 一條 りか