受賞者紹介

第57回 社会貢献者表彰
にんていえぬぴーおーほうじん しーえふえふじゃぱん

認定NPO法人 CFFジャパン

(東京都)
認定NPO法人 CFFジャパン 代表理事 安部 光彦
代表理事 安部 光彦

誰もが希望の持てる社会を実現するため、マレーシアやフィリピン、ミャンマーの子どもたちの支援と支援活動を通した青少年育成を主に行っている。活動の中心はワークキャンプ(現地の人とともに生活しともに働くボランティア)で、各国のCFF(Caring for the Future Foundation)の活動に日本人参加者をこれまで延べ5,000人以上派遣し、現地の青年たちと共同で児童養護施設「子どもの家」の建設や環境整備、修繕、食事作り、学習支援などを行う。貧困や親からの虐待など、様々な理由から家族と過ごせない子どもたち常時10~15名がこの「子どもの家」で生活している。小規模ではあるが一人一人に合った学習プログラムを作り、大学進学までを目途にきめ細かく支援するが、パソコン操作など就職のための自立支援も行う。活動は「学生が主役!」を大切に、参加者はワークキャンプのプログラム毎にチームリーダーを置き、キャンプ前・後の研修を含め約半年間に亘って関わるため、春、夏を中心に行われている。日本からのワークキャンプ受入れの時期には現地の学生も必ず参加し、若者同士が交流できるようにする。こうした活動で青少年の育成にも大きく寄与している。

私たちCFFの主事業であるワークキャンプ、スタディツアーに参加する日本の青年のほとんどが「普通の青年」です。この普通の青年とは基本的に恵まれた環境で不自由なく生きてきた学生たちであり、一見、何も問題を抱えていないように見受けられます。しかし彼らの多くが家庭や人間関係、そして自分自身(特に自己理解、自己受容)に複雑な問題を抱えており、その解決方法がわからずに苦しんでいます。そしてその多くが、それ故に「自分の事で精いっぱい」であり、他人の事や社会に深い関心を持てません。また、自分の事で精いっぱいなのに「自分がどうしたいか」よりも、「他者にどう思われているか」気にしすぎるという矛盾を抱えています。

私たちは10年ほど前から「自分をケアする」「他者をケアする」「環境をケアする」「社会をケアする」「未来をケアする」の5つのケア(ファイブケア)というビジョンを子どもの養育と青少年育成のプログラムの中に取り入れてきました。

中でも「自分をケアする」が最も重要であり、それは「人にどう思われているか」よりも、「自分がどうしたいのか」つまり、自分の内なる心の声に耳を澄ます行動ができることを意味します。諸外国の青年に比べて、日本の青年はここが不得意な青年が多いといえます。一方「他者をケアする」については、自分のやりたいこと、言いたいことを遠慮して、他人を優先するという日本人は多いのですが、それは実のところ本当の意味の他人へのケアではなく、自分がどう思われるかを気にしすぎるが故の行動である場合が多くあります。近年SDG’sの広がりもあり、普通の青年にも「環境」や「社会」といった自分以外の対象への「ケア」の活動の場が増えてきていますが、このSDG’sが本当の意味で主体的で有効な活動となっていくには「自分をケアする」というスキルを、同時に、もしくは事前に身につける必要があると考えられます。

私たちの団体名は「Caring for the Future Foundation」であり、それは未来の基盤を作るという事を意味します。この地球に住む私たち全員に「未来をケアする」責任があります。その未来の基盤である子どもたち、青年たちが、まず自分をケアし、そして他者をケアできる人になること、そしてそれが基盤となってこそ、次の段階としての→環境→社会→未来をケアできる人となるいう原理を今後プログラムを通してさらに実証していきたいと考えています。

代表理事 安部 光彦

  • ワークキャンプ
    ワークキャンプ
  • ワークキャンプ
    ワークキャンプ
  • ワークキャンプ
    ワークキャンプ
  • ワークキャンプ
    ワークキャンプ
  • 現地の子どもとの交流
    現地の子どもとの交流
  • 現地の子どもとの交流
    現地の子どもとの交流
  • フィリピンスタディツアー(ゴミ捨て場)
    フィリピンスタディツアー(ゴミ捨て場)
  • ミャンマースタディツアー(スラム)
    ミャンマースタディツアー(スラム)
  • マレーシア不法移民集落で演奏
    マレーシア不法移民集落で演奏
  • 4ヶ国のCFFが集合した会議
    4ヶ国のCFFが集合した会議
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