NPO法人 シャクナゲ・子供の家
1992年にネパールでの学資支援活動からスタートした活動だったが、現地の貧しい子どもの日常、過重労働に明け暮れ、インドに連れていかれ性産業の餌食となる少女の姿を知り、「学資を出せば子どもの未来は明るい」と考えていた甘さに愕然とし、なにより落ち着いて勉強ができる環境整備が必要と考えた。それからは、子どもたちを守り育てる為の居住施設の建設へと舵を切った。1999年には法人化し、2002年には首都カトマンズ郊外に、孤児らが生活できる部屋を借り、女子向けの2階建て自立支援施設「サハラ子供の家」を設置した。現地NGOが共同で運営にあたり、5歳~17歳の子どもが、安心で安全な環境ものと、学習に専念ができ、卒業資格を得て、就職に結びつくことができるようにしている。
ユニセフ子どもの権利条約にある「すべての子どもの命が守られ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成畏できるよう、医療、教育、生活への支援などを受けることが保障されます」という理念に私共は賛同し、この30年間その理念を軸に、ネパールのカトマンズにおいて、孤児(女子)を守り育てる「サハラ子供の家」の運営を継続しております。またネパールの困窮する母子の経済的支援をするために、特産品の關発及び製作指導を行っております。
尚、事務局のある西宮市の小学校においては、本の読み語り及び朗読劇を開催し、子どもたちの傍らに物語の世界を共に楽しんでおります。現在における日本の子どもを取り巻く環境は、少子化、核家族化により親が地域の人と接する機会が減り、貧困、いじめ、虐待、ひきこもり等々を見えなくしていると聞き及びます。マスコミが報道する問題は、私共の目の前にある、又、足元に転がっているような身近な問題で他人事ではありません。私共は、これらの子どもをめぐる問題を乗り越える糸口として、作家・野坂昭如氏の西宮での戦時体験を描いた「火垂るの墓」の朗読劇を催しながら、地域の子どもたちや大人たちと希簿になった閲係を改めて取り戻したいと念じております。
私共の力は心もとないものですが、互いのカを持ちよって活動を継続して参ります。
代表 田中裕子