NPO法人 わぴねす
代表理事を務める梶田恵理子さんが大学生の時参加した中国ハンセン病回復村への訪問をきっかけに、ハンセン病への差別や偏見問題に取り組むことを決意。日本財団から世界で一番新規患者数が多いのがインドだと聞き、西ベンガル州の5か所のハンセン病コロニーで活動を展開している。日本から大学生を迎えてのワークキャンプでは、入所者の希望に沿って建物の修繕や教育支援を実施。また各コロニーの実態調査、教育支援、低金利で起業のための資金を貸出すマイクロローンも展開している。借りた資金を牛やヤギの購入費用に充て、年収が2倍になるという成功者も出て貸付を希望する人が増えている。また、団体が電動三輪自動車を貸出して、TOTOタクシーの仕事に就く支援も行っている。マイノリティの社会的地位の向上及び尊厳の回復の為、日本のみならず、インドの大学で講演会を行って、ハンセン病への理解と差別の防止にも取り組んでいる。
この度は「社会貢献者表彰」という名誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。私たちNPO法人わぴねすは現代表である梶田が学生の頃に「中国のハンセン病問題」に出会ったことがきっかけで創設されました。梶田が中国のハンセン病問題に関わっていくうちに、世界ではハンセン病問題が深刻な国が他にもあるらしい、ということを知り、感染者数が世界で1番多いインドで活動を開始しました。
インドで活動を開始した当初は学生団体として、ワークキャンプ事業(ハンセン病コロニーに泊まり込み、コロニーの人々と一緒に家屋の修繕などを行う)から始め、その後、就労支援や教育などの事業を増やしていきました。
就労支援事業ではマイクロファイナンスとして、事業資金の貸し出しや電動3輪タクシーのレンタルなどを行い、就労機会を少しでも増やすべく活動しています。教育事業ではインド、日本の大学や教育機関などでハンセン病や当団体の活動について講演活動をおこない、一人でも多くの人がハンセン病に関する正しい知識、ハンセン病差別の歴史など、差別問題を考える機会を作っています。
私たちは主にインドハンセン病コロニーで活動していますが、そこに住む人々だけでなく、「すべての人々が、いきいきわくわく暮らすことのできる社会を創造する」という理念の下、活動をしております。ハンセン病の問題としては、「医療」の欠如、「劣悪な居住環境」、「貧困」、「教育」の欠如など様々な問題があり、それらはすべて「差別」という大きな問題から派生して出てきた問題だと考えています。そしてその「差別」という問題はインドハンセン病コロニーの人々が抱える問題を解決するだけではなくなりません。私たちひとりひとりが自分と異なる人を差別せず、周りの人を大切にすることで、「差別がない社会」を目指し、ひいては「皆がいきいきわくわく暮らせる社会」となることが一番の理想です。
今回このような賞をいただいたことは大変光栄なことですが、現状に満足するのではなく、これから活動を続け、コロニーの人々と共に「いきいきわくわく暮らすことのできる社会」を創っていきたいと思います。本当にありがとうございました。
NPO法人わぴねす一同
理事 檜山 大輔