NPO法人 子どもの家足立
少年院を出院したのち、自力で電気工事士試験に合格し、大学入学資格検定を取得し、27歳で大学の工学部にも合格した竹中ゆきはるさんは、自身と同じような経験をしている少年たちの立ち直りを支援したいと考えていた。数々の電気関連の資格を取得し自身の電気工事会社を設立し代表取締役として業務をしながら、2005年に長年竹中さんを担当してくれた保護司の推薦を受け協力雇用主となり、更生しようとしている少年に職と住まいも提供するようになった。2009年には保護司の委嘱も受けた。2011年に更に手厚いケアをしようと自立援助ホーム「NPO法人子どもの家足立」を設立し、従業員や家族の協力を得てこれまでに延べ46人の自立を支援し、24人に就労の支援をした。
竹中さんは、少年たちに資格取得を目指す目標を持たせ、仕事に就いて自立できるよう、電気工事士の職業訓練を無償で教えている。自らもそれを立証するよう、数々の資格を取得し、少年たちへ生き方を体現している。
冬になると自立準備ホームNPO法人子どもの家足立に電話が鳴り響きます。親に何らかの事情を抱え恵まれない環境の非行少年少女を保護してくれないかと相談が来ます。なんで冬は依頼されるのが多いのか最初はわかりませんでした。
「寒いから」です。寒くて凍死してしまうからだと後から知りました。「公園で寝ている少年にせめて温かい布団で寝かせてあげたいのですよ」と言った保護観察所の所長の言葉が忘れられません。
子どもの家は元暴走族総長で東北少年院経験者が立ち上げたNPO法人です。
東北少年院の電気工事科で第2種電気工事士を取得させてもらい電気工事で株式会社を立ち上げることが出来ました。個人事業主から有限会社に法人化したころ14歳からお世話になる保護司先生に推薦していただき協力雇用主になることが出来ました。電気工事だけで少年たちを引き取るのは限界があると感じた社長が保護司になったころに知った三大環境調整である「身元引受人・住居・就職先」を就職先は他の社長たちにお願いして、身元引受人と住居と食事の提供に修正して受け入れを多くして行きました。現在電気工事会社では3人が電気工事士を取得して現場に出て職長として独立を目指して頑張っています。独立した少年のうち、一人は鳶職でもう一人は電気工事の個人事業主で頑張っています。相談の電話は長くてコンサル料金をもらいたいぐらいですが、頑張っている姿をうれしく思っています。
身の回りの世話は愛妻と妻の母が寮母として頑張ってくれています。あるとき、妻に家庭環境の恵まれない非行少年を引き取ることよりも自分の家族に目を向けてほしいと言わないのか理由をたずねてみると「今、私がやっていることは将来の日本を良くしているの。それはいずれ私たちの息子と娘の将来でもあるから犯罪者のいない、被害者もいない世の中にすることを少しでも子どもたちのためにしないと子どもたちがかわいそうでしょ」と寮母としての考えを述べてくれました。子どもの心(ハート)が死なない世界を地域が少しでも明るい社会となるよう努力していきます。
最後になりましたがこの度は社会貢献者表彰を賜りまして本当に感謝いたしますありがとうございました。
自分たちがやっていたことはエゴではなく活動して、やり続けていいんだと承認されたように思えて、これからも精進していこうと新たな気持ちになれました。
スタッフの皆様また推薦してくれた保護司先生本当にありがとうございました。
家族5人で過ごせた2日間は夢のようなプレゼントでした。
協力雇用主・保護司
NPO法人子どもの家足立
理事 竹中ゆきはる