社会貢献の功績
NPO法人 在日外国人教育生活相談センター・信愛塾
1978年、在日コリアンの子どもたちの子ども会として横浜市の中華街の一角で活動を開始し、2004年にNPO法人在日外国人教育生活相談センター・信愛塾を設立。
学習支援を利用する子どもは年間2,200人を超える。国籍は日本でも母語が日本語でない子どもも多く、母語による学習支援や日本語指導を行い、終わったあとはスポーツや音楽、ゲームなどを楽しみ、日頃の緊張から開放され安心して過ごせる「居場所」を作っている。
また、子どもの保護者を対象とした伴走型の教育・生活・人権に関わる相談事業を無償・多言語で行う。年間約800件の相談を受け、内容によっては10年以上関わり続けているケースもある。
中国語、タガログ語、英語などいろいろな言語が飛び交い、子どもも大人もありのままの自分でいられる「居場所」として在日外国人と日本人が交流し、支え合い、共に生きる社会の実現に向けた活動を続けて40周年を迎える。
信愛塾は、在日コリアンの子どもたちが自分たちの文化に誇りをもちながら自立してほしい、基礎学力をきちんと身につけてほしいという保護者たちの強い想いから活動が始まりました。そして在日外国人と日本人が出会い交流し、共に支え合い、共に生きる社会をめざす具体的な活動の場として成長してきました。2004年には、日本に居住する外国人の教育・生活・人権などの相談や、学力・進路保障事業などを行いながら在日外国人との共生社会の実現に寄与することを目的としたNPO法人の設立に至りました。
現在も外国につながる子どもへの「居場所」を利用した学習支援と、その保護者を主な対象とした教育・生活・人権の相談事業を行っています。外国につながる子どもたちは言葉や文化の壁があり、学校や地域社会だけでなく、複雑な課題を抱えた家庭環境の中で緊張やストレスを強いられています。信愛塾は家でも学校でもない第3の「居場所」を設け、母語による学習支援や日本語指導を行っています。学習支援が終わった後はゲームやスポーツ、音楽などを楽しみ、ストレスの解消に努めています。
もうひとつの柱である相談事業では、常設で多言語対応。具体的な解決を目指すために、伴走型の相談・支援活動を行っています。こうした相談活動を行う中で、言葉や生活面で困難を抱えている在日外国人の自立を促し、彼ら・彼女たちの内包する活力を地域社会に発揮できるように活動しています。近年の在日外国人の急増にもともない、相談件数が年間800件を超える状況が続いています。
その他の取り組みとして、在日外国人と日本人とのふれあい交流事業、信愛塾で行なった講演会などをまとめた書籍の出版、学校や自治体への研修などを行っています。
信愛塾は今年で40年を迎えました。その節目の年に栄誉ある賞を受賞でき、40年間続いてきた日々の営みを評価していただけたように思え、大変嬉しく思います。来年4月の出入国及び難民認定法の改正を受け、外国につながる子どもや在日外国人を取り巻く環境は今後大きく変化していくことでしょう。そのような社会状況で信愛塾の活動はますます必要となってくると考えられます。信愛塾のミッションである「子どもの命を守る」ことを胸に、日々試行錯誤しながら活動をつづけていきたいと思います。この度は誠にありがとうございました。
理事 福島 周