社会貢献の功績
認定特定非営利活動法人 佐賀県難病支援ネットワーク
難病患者が抱く悩みや不安は病院や役所では相談しづらい事から、同団体は2003年から佐賀県下を中心に、年間6,000件以上の難病患者の生活・就労・医療・福祉等多岐に渡る相談に対し、ケースワーカーやハローワークの担当者、医療関係者ら専門家との連携により、患者ひとりひとりに対してのケース会議を開催し、今後の生活への不安の解決、生活の質を高める為のきめ細かな支援活動を行っている。病状の悪化により、退職を余儀なくされた患者に、理解ある企業を紹介するなど、生活も含め、心と体を支える活動により、これまでに100名以上の難病患者の就労に寄与してきた。熊本地震では、混乱の中で支援を言い出せなかった患者の経験を通じて、緊急時には、薬や必要な医療介助について提示出来るように、病名や症状、主治医、治療法や服用している薬等も記載できる、緊急医療支援手帳を行政と協働で製作する他、緊急避難を想定して、難病患者への避難訓練も実施している。
この度は、社会貢献者表彰を受賞賜り大変光栄です。ありがとうございます。
表彰式では、安倍昭恵会長のご挨拶に続き、内館牧子表彰選考委員長のお話をいただきました。また祝賀会におきましては、会長自ら私どもと写真撮影をしていただき大変に感謝申し上げます。
表彰式の前に皆様の活動紹介があり、毎日地道に様々な社会貢献活動を行われている方々の素晴らしい活動を聴かせていただき内容は違っても社会貢献していくという志は同じだということを改めて感じました。
さて、私ども認定特定非営利活動法人佐賀県難病支援ネットワークは平成14年より難病の方々の相談支援を行い、平成16年からは佐賀県難病相談支援センターの指定管理を受け、患者の立場に立った相談支援を行っています。
難病という言葉について、治らない病気、難しい病気、寝たきりという捉え方により、就学、就労、結婚、出産など、人生の大事なイベントにも支障がある状況があります。
また治らないという病気を抱えながら生きて行かなければならないという大変な精神的にも身体的にもリスクがあります。
そういう方々が地域で普通に暮らしていける社会の構築が私たちの目的でもあります。
同病の方々の交流会を行うことにより、ひとりではないことが分かり、前向きに病気を捉えることもでてきます(ピアサポート)。
支援の内容は、就労支援、手帳や障害年金、医療費などの制度の支援、コミュニケーション支援等、難病になった方への心のケアなどを行い、必要であればアウトリーチによる支援を行っています。
難病の数は今指定難病に指定されている疾患だけでも330疾患あり、同じ病気でも相談内容は個々に差があります。
相談員は、本人の言葉を傾聴し、制度に結びつく事例などは、制度に結びつけていくことが必要であり、難病相談支援センターだけでは解決しないことは、関係機関との連携により、課題を共有しながら本人の自立に向けた支援を行います。
また相談を受け課題を分析し、課題の克服のために提案型事業を行い、克服した事例や成果物(大規模災害時における難病患者の行動支援マニュアル等)を患者に還元させていただいています。
提案型事業には難病患者の就労支援を地域で充実するために、シンポジウムを開催し、大規模災害時における避難訓練などを地域の方々と難病のある人とともに開催するなどして、難病や障害を理解してもらえるような自助や共助の大切さなどを啓発させていただいています。
今後もこの賞をいただいたことを、真摯に受け止め、難病の方々への支援に一層邁進してまいります。
認定特定非営利活動法人佐賀県難病支援ネットワーク
理事長 三原 睦子