社会貢献の功績
小平 晴勇
「君は顔がおもしろいから落語をやりなさい」という高校時代の恩師の一言で、落語研究会を設立し、校内で落語会を開いたところ受けに受け、落語の魅力に引き込まれ、落語家で諏訪市内に寿司屋を営むあいらぶ祐介師匠に弟子入りし、以来、同市で寿司屋とアマチュア落語家の二足のわらじで47年になる。県内2,500ヵ所の福祉施設などで、古典から創作まで51本の落語のネタをボランティアで披露している。落語の他に切り絵、飾り寿司の講師、ラジオのパーソナリティ、チンドン屋、創作落語台本作家としても活躍中。最近はブラジルや中国からも高座の依頼が来ている。
「この着物を差し上げます、落語を演じる時に来て下さい。本当に受賞おめでとうございます」
差し出されたピンク色の見事な着物だ。ビックリして顔を見ると、いつも落語会で会う介護施設のおばあちゃんたちだ。なんとおばあちゃんたちの手作りだそうだ「私たちも自分の事のように、とても嬉しかったわ。だっていつも嫌がらずに施設に来て落語を演じてくれるのは「すわこ八福神」あなただけだもん」この言葉を聞いて仕事が忙しかったり、体調が悪い時など出演を辞退しようと思ったが、本当に続けてよかったし、人びとに喜ばれていたんだと実感することが出来ました。
その後もマスコミの報道等で「すわこ八福神さんの受賞を知りました」とのことで、お祝いの手紙や電話をいただきました。そして落語会2,800回を突破しました。改めて受賞した社会貢献者表彰の重みを実感しました。
来年ですしと落語の仕事に携わって50年を迎えます。増々、寿司も握れるし落語も演じられる、これが本当の一石二鳥が人気のためか、来年10月まで既に仕事が入っています。いままでの記録である、落語会1日7か所や一か月35回、2週間ぶっ続け、一席3時間落語などの記録の更新に挑戦し、いよいよ落語会3,000回を迎えます。
最近は日本を離れて中国やブラジルなど海外からの希望が多く、ぜひ中国語で一席と要望があり、中国語の勉強に熱が入ります。
いよいよ高齢化社会の本番を迎え、700何人の認知症患者が押し寄せてくると言われています。そんな世の中で増々、落語ボランティアの必要性を感じます。皆様に楽しんでいただき、私も充実した人生を送る。それが私の目標です。
本当にありがとうございました。