社会貢献の功績
一般社団法人 日本聴導犬推進協会
2000年3月に日本で初めて「聴導犬」を導入した日本小動物獣医師会から独立し、聴導犬の育成と普及を目的に設立された組織。聴導犬とは聴覚障がい者の生活を安全で安心できるものにするために、生活で必要な音を聴覚障がい者にタッチして知らせ音源に導く身体障害者補助犬で、盲導犬に遅れること約150年、1975年アメリカで一人の聴覚障がい者が自分の犬を音に反応するようドックトレーナーに訓練してもらったことから始まった。2017年1月現在は日本国内聴導犬の実働数67頭、盲導犬と比べると圧倒的に少ない。聴導犬希望者は1万人以上いると推測されている。聴導犬の存在を多くの人に知ってもらうため、年間120件以上のイベントを行い普及活動を行っている。
この度は、社会貢献者表彰の栄に浴し、心より感謝を申し上げます。長年の地道な活動が評価され受賞できたことを、大変嬉しく思っております。
私たちの団体は、聴導犬と言われる耳の聞こえない方、聞こえにくい方の自立と社会参加の手助けをする身体障害者補助犬の育成と普及活動を行っております。盲導犬や介助犬に比べ、まだまだ認知度は低く社会での受け入れや支援が進んでいないのが現状です。
聴導犬は、日常生活で発生する音からもたらされる情報を聞こえない方に知らせ、安心して安全な生活ができるようにしてくれます。例えば、インターフォン・目覚まし時計・火災報知器・後ろから来る自転車や車の音、ユーザーさんを呼ぶ声など、音源を探し使用者に伝え、音源に誘導する等の方法で情報を伝えます。聞こえる私たちが当たり前に聞いて判断し行動するように、聞こえない方も聴導犬のサポートを受けながら判断し行動できるようにしてくれているのです。
また、聴導犬と書かれたケープを身に着けていることで、耳の聞こえない方であることの目印としての役割も果たしてくれています。適切な方法で必要な情報が周囲からもたらされることで、社会参加しやすい状況を作り出してくれているのです。
今回の受賞式では、受賞者代表挨拶の大役を務めさせていただくと共に、聴導犬のお仕事を紹介するデモンストレーションを行う機会をいただきました。いつもとは違う状況下で、少々緊張し上手く伝えられたか心配な面もありますが、少しでも聴導犬のことを印象付けることができたのなら、成功したと言えるのではないかと思っております。
現在、日本全国に聴導犬は64頭しか活躍しておりません。私たちはこれからも、良質な聴導犬を育成すると共に、聞こえない方が聴導犬と共に安心して社会参加することができるように、人と動物が共生できる社会を目指して、聴導犬の普及活動を続けていきたいと思います。
聴導犬が日本で育成されるようになってから33年。小さな種が少しずつ成長し、様々な方々の目に留まるほどには、育成も普及も進んできました。団体としても法人格を変えるなど飛躍のための転換期に入っています。今回の受賞も一つのスタートと捉え、発展できるように進んでいきたいと思います。
常任理事 水越 みゆき