社会貢献の功績
田中 三紀子
福井県武生市(現越前市)で、平成12年に障がいがある子どもの保護者数人と「エンジェル・キッズ」を結成して放課後等デイサービス事業に取り組み、その後NPO法人の認定を受け、障がいのあるなしに関わらず地域で生きていく事を目的に社会と解け合う場の提供や生活介護事業を行っている。当時、障がいの性質別に複数存在していた保護者の団体をネットワーク化させ、当事者や保護者の発言力を高め、組織未加入者も気軽に参加でき、情報交換が図られ、市の保育や教育現場での支援員の配置、障がい者就労支援施策などに貢献した。
この度は、すばらしい賞を頂き、ありがとうございました。身の引き締まる思いです。
これまで支えて下さった方々のおかげと感謝しています。
私は、32歳になる重度障がいのある娘がいます。ずっと地域の中で暮らしていきたいと思っていました。しかし、高校に入った頃は学童保育もなく、卒業後の行先もありませんでした。行政の方の理解と力添えをいただき、保護者のネットワークや、地域活動の交流など輪が広がりました。
そして、2000年の夏障がいのある子の母親同士で「母子だけでの外出は限界があるし、あー、また長い夏休み、引きこもり生活だね。」と切実な言葉からエンジェル・キッズが誕生しました。保護者とボランティアさんとで学童保育を開始、2003年NPO法人格をとり、障害者デイサービス事業も始めました。小学校1年生から学校を卒業した後も、みんなで一緒に活動をしています。夏休みは、安全に十分気を付け、恐竜博物館、海水浴、川で魚釣り、ぶどう狩りなど盛りだくさんでお出かけをしています。18歳以上のグループの毎日のお仕事は、紙すきやクッキー作りのほか畑で野菜を作り、給食に使用しています。
私個人は、法人の理事長として関わるだけでなく、利用者の昼食の調理員を兼ねさせていただき、少しでも皆の元気のもとになってもらえたらと考え、利用者さんとスタッフが同じ空間で同じ食事をとり、「おいしいね」「自分達で育てた野菜だね」などと、共感できることを幸せに感じています。
保護者の方は、初めて障がいのある子に出会い、どう育てて良いか、不安でいっぱいです。成長と共に心配する内容も変わっていき、また、子どもに対する思いも保護者一人ひとり違います。でも、子どもにとってベストな状況を作りたいという思いは同じです。スタッフも含めて、みんなで悩み考えていける場所でありたいと思っています。保護者も子どもも笑顔でいられる空間であります様に…。
そして、障がいのあるなしに関わらず、越前市で暮らすすべての子ども達が安心して笑顔でいられる町でありますように願っています。
受賞者の懇親会の意見交換会でみなさんのご苦労話をお聞きし、51名の方々のパワーをいただき、とても貴重な時間でした。これからも、みんなで力を合わせて頑張っていきます。
本当にありがとうございました。