社会貢献の功績
認定NPO法人 テラ・ルネッサンス
2001年に設立され、「すべての生命が安心して生活できる社会(世界平和)の実現」を目的に活動。「地雷」「小型武器」「子ども兵」という3つの課題に対して被害地域での国際協力事業と同時に国内での啓発・提言を通じて、課題の解決に取り組む。活動地域は、カンボジア、ラオス、ウガンダ、コンゴ民主共和国、ブルンジ、日本の6ヵ国。カンボジア、ラオスで地雷撤去支援、女性義肢装具士の育成、地雷埋設地域村落開発支援、地雷回避教育、ラオスでの不発弾除去支援、学校建設を実施している。アフリカ3ヵ国では元子ども兵の社会復帰支援、紛争被害者の自立支援、不法小型武器問題の啓発活動に取り組む。日本国内では、平和教育や政策提言活動、岩手県大槌町で東日本大震災支援活動を行っている。全事業に於いて、支援の受け手の自主性とオーナーシップを尊重し、一人ひとり、また各地域の自立と自治を目指している。
この度は、社会貢献者に表彰いただき大変光栄に存じます。
当会は創設者の鬼丸昌也が2001年、カンボジアの地雷問題を知っていただくための「伝える活動」から始まりました。その後、子ども兵、小型武器の課題にも取り組み、この15年間でウガンダ、ラオス、ブルンジ、コンゴ民主共和国と活動地を広げ、本部の京都のみならず、国内では岩手県にて事務所を構え、復興支援を行うまでに至りました。
特にコンゴ民主共和国は1998年以降の紛争において540万人もの命が失われました。避難を余儀なくされた人々は劣悪な環境の中でしか生活をすることができず下痢やマラリアなど、本来は治療可能な病気でも命を落としてしまっています。そのような状況下で、当会は元子ども兵への溶接技術の職業訓練、孤児・性的暴力を受けた女性たちへの洋裁訓練、紛争の影響で心に傷を負った人々へのカウンセリングや自給食料を確保するための農業支援など様々な活動を続けてきました。
さらに、私たちがプロジェクトを実施している地域は、近隣都市からの道路のアクセスが非常に悪く、雨季には車が通れない状態に陥いることもあります。そこで、地元首長の呼びかけに応えて、これまで支援を受けた受益者たちが、道路整備にボランティアで貢献しました。
元子ども兵たち約300名が、毎週金曜日に3時間の時間を使って、地元の道路整備に汗を流しています。元兵士だった彼らが、今、コミュニティのために働いていること自体、事業が始まった時には考えられなかったことですが、皆、率先して作業に加わり、そのことを誇らしげに語ってくれました。
社会貢献の精神が紛争地においても伝染し、地元が抱える課題を政府のせいにしたり、他人任せにしたりせずに、自分ごととして責任と権限を持って、一人ひとりができることを実践していくことが何より大切だと同取り組みを通して実感しました。
そしてこれらの活動は、支援者の皆さま、ともに理念追求のために行動してくれるスタッフ、インターン、そして何より、活動地において自らの「ちから」で立ち上がろうとする人々のおかげで継続することができ、本受賞へと結びついたものと感じています。
受賞をこれからの活動への原動力とし、今後もテラ・ルネッサンスはスタッフ一同、心と力を合わせて、世界中の協力者とともに、すべての生命が安心して生活できる社会の実現をめざし、活動を続けて参ります。
この度は、誠にありがとうございました。
特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス
理事長 小川 真吾