社会貢献の功績
かたくり工房
岐阜県揖斐郡の農山村である谷汲地区では高齢化が進み、耕作放棄地が各所にあったが、地域の高齢の女性たちが荒廃する農地を有効活用して地域の特産品作りを始めることにし、平成12年に発足した会。資金は無かったことから、廃業した工場の一部を借り、中古の備品を手に入れ、年金を拠出するなどして運営し始めた。味噌、漬物、らっきょう、お餅、惣菜など、安心安全な製品を安価で提供して好評を博し、15年に亘って活動している。また、保育園や小学校での食育指導や近所の福祉施設へ地元産の餅などを届ける慰問活動なども行っている。会員数が減少の一途にあるが、シルバーの輪を広げ、後継者の育成に努めている。
この度は、地方で小さな活動をしている私達工房に、東京「帝国ホテル」において、素晴らしい式典に、ご招待を賜り表彰して頂きましたことを、先ずもって心からお礼を感謝申し上げます。
私達の活動は、昭和50年代に普及センターの指導のもと、月一度の勉強会から始まりました。その後20年間生活改善グループとして、活動をし、時代の変化と共に、起業への気運が高まっていました。ある会合で、起業女性の話を聞き夢の実現に向って、4つのグループで協議会を作り、試行錯誤を繰り返しました。
平成12年5月から、廃工場の一部を借りて農業婦人クラブの会員17名で、かたくり工房をスタートしました。荒廃する農地を、少しでも守りたいと、米や野菜を作りながら、地元産の食材を活用し、谷汲特産の惣菜、味噌、漬物、餅等を会員達の知恵と工夫により安心安全な「おふくろの味」作りに努めてきました。少しでも、地域に役立つ活動が出来たらと今日まで、15年間頑張ってきました。
現在は、会員の高齢化が進み、退会や死亡もあり、平均年齢は80才近くに達しておりますが、会員の生きがいや、健康づくりの場となり社会貢献活動が出来る事を、一同喜びあっています。今後高齢化が更に進み、耕作放棄地や限界集落が各地に増え続け、工房の存続も厳しい状況になってきますが、50~60才代の会員に、入会を呼びかけ、若者ニーズにあった菓子、ケーキ類等も作り新しい分野にも手を広げて参ります。
また、食育活動の一環として、学校給食への味噌、野菜、大豆等の提供を通して、保育園児、小学生等に、産地地消の大切さ、食の大切さを伝え、次代を担う子供達が、健康で思いやりのある人に育ってくれるよう見守って参ります。
当工房の味噌をはじめとする製品が、身近で活用してもらえ、皆さんに喜んで頂けることに大変な喜びを感じています。今後は、消費税の引き上げもありますが、安価で安心安全な製品の提供を基本に「お袋の味」を広くPRしていきたいと考えています。
一方、資質の向上を図るため交流会や視察研修、講師を招いての衛生講習会等研修にも力を注ぎ、若い会員の増強確保を期待し、頑張っていきたいと思っています。
毎年続けています地域の福祉施設「老人、障害者施設」にも、地元産の餅や菓子等を届け慰問活動を積極的に行い、ボランティアの輪、地域のコミュニティの推進に努めてまいります。
今回の栄誉ある表彰を契機に、会員一同が一致団結し、小さな工房の輪を広げ、山村の活性化と、社会貢献活動に努めて参りたいと考えています。
誠にありがとうございました。
かたくり工房 会長 田代 すみ子