社会貢献の功績
じりつせいかつさぽーとせんたー・もやい
認定NPO法人
自立生活サポートセンター・もやい
東京都新宿区を拠点に平成13年から「ホームレス状態にある人が、アパートで新生活を始めるための暮らしの基盤作りを手伝う」活動を行っている。具体的にはホームレス状況に置かれている人の連帯保証人を引き受け住居を確保し、共通の課題を抱える当事者同士の交流を通じて、社会的な孤立の解消を目指している。新しい生活を始めるための「入居支援事業」、様々な相談に応じる「生活相談・支援事業」、社会的な孤立状態を解消するための「交流事業」、行政に的確な提言と社会の理解を得るための「広報・啓発事業」を行っている。
このたびは、社会貢献者表彰を賜り、感謝しております。このような栄誉ある賞をいただき、団体を代表しまして、御礼を申し上げます。
私たち「自立生活サポートセンター・もやい(以下、もやい)」は、2001年に設立しました。ホームレス状態の人がアパートに入るための支援をしたい、その想いで、都内で支援活動にいそしんでいたメンバーで話し合い、「ホームレス状態の人がアパートに入居する際の連帯保証人を引き受ける」という活動をスタートさせました。
もちろん、見ず知らずの、家族でもない人の「連帯保証人」を引き受ける、という活動は非常に大きなリスクをともなっています。もし、家賃を滞納してしまったらその肩代わりをしなければならない、失踪してしまったら引き払い等を負担しなければならない……。しかし、実際に連帯保証人の引き受けを始めてみて、予想よりもそういったトラブルが少ないことに驚きました。駅や公園、公共施設の敷地などで寝泊まりしているホームレスの人たちも、家族との縁が切れネットカフェで寝泊まりする人たちも、DV(配偶者間の暴力)から逃げてきた女性も、児童養護施設出身で身寄りをもたない若者も、実際にさまざまな支援を利用することにより、そして、私たちが連帯保証人を引き受けることにより、多くの人は地域で安定した生活を送ることができるようになりました。私たちが小さなマンションの一室でスタートさせた連帯保証人の提供は、結果として約2,300世帯の人のアパート生活につながったのです。
とはいえ、なかには、生活の維持に困難をきたしてしまう人も存在します。私たちも居場所作りなどのさまざまな事業を展開することでその解決を目指していますが、まだ十分とは言えない状況でもあります。ですので、課題が多い中での受賞は、大変恐縮でもあるのですが、私たちの活動を評価していただいたことに感謝しています。
今回、社会貢献者表彰を賜り、ほかの受賞者、受賞団体の各活動を知ることができました。私たちとしても、地域のさまざまな活動に支えてもらいながら、この15年間、チャレンジを続けてまいりました。こういったご縁を力に、私たちらしい切り口で、今後も「貧困を社会的に解決する」というミッションのもと、活動を展開していきたいと思っております。
私たちの挑戦に、今後ともに、ご支援、ご協力をいただければ幸甚です。
認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい
理事長 大西 連