社会貢献の功績
國井 美保子
兵庫県小野市で昭和48年から、地域住民を対象とした料理教室の講師を務め、家庭料理の指導と行うと共に、安定した家庭環境と地域福祉向上のために尽力してきた。また、精神障害者が社会参加できるように居場所作りを行ってきた、精神保健福祉ボランティア「ステップ」の活動は同市からの受託して共に行なうようになったほか、給食サービス配送ボランティア「いなほの会」で26年間にわたり一人暮らしの高齢者宅へ弁当を配るボランティアとして活躍している。
この度は大変名誉ある賞を頂戴し、誠にありがとうございました。また、式典に至るまでの貴財団の皆様方のご尽力に対しまして心より感謝申し上げます。
当初は果たしてこのような賞を頂いてよいのかと自問する日が続きましたが、式典のスケジュール表・旅券が届きました頃には、今回の受賞を素直に喜ばなければ、折角私のような者を選んで下さった財団に対して申し訳ないと心から感謝の念がこみ上げて参りました。そして、推薦いただきました小野市立コミュニティセンターいちばの所長様をはじめ、これまでお世話になった多くの方々に有難うと思う気持ちで胸がいっぱいになりました。
授賞式の前夜祭と式典当日の二日間は、その盛大さと財団の細やかな御配慮にただただ感激し、言葉にならない有難さを感じました。この場をお借りして、深く深くお礼を申し上げます。
昭和48年3月、義母の突然の死に茫然としている私のところに、市立中央公民館の館長が来られ、義母の後任として料理教室を続けてほしいと懇請されました。未熟であると固辞する私に対し、「生涯教育とは教える側も共に勉強するものであり、貴方も学び続けてほしい」と励まされ大決心の末、中央公民館料理教室の講師を引き受けることになりました。
その後、市内各地に建設された隣保館からの要請が続き、一時は4館で月に16回の教室を引き受けてきました。「地元食材を使った今晩のおかず」を基本にし、お料理は「楽しく愛をこめて」をモットーに、85歳の今日まで42年間続けて参りました。今はコミュニティセンターと名前も変わりましたが、地域の皆さんとのお料理を通した交流が生き甲斐になっております。
昭和60年には小野市社会福祉協議会の高齢者への給食サービスに携わり、安否確認を兼ねた配送ボランティアを26年間続けることができました。待っていて下さる方々の笑顔を楽しみに、私自身も良い人生勉強ができたと感じています。
私が右腕を骨折した時には、夫が配達を手伝ってくれたこともありました。家を空ける事も多かった私が、今日まで頑張ってこれたのも家族の支えがあったからと、改めて感謝しております。
平成11年兵庫県社保健所において、精神保健福祉ボランティアの養成講座を友人数名と受講し、精神障害者の方との交流を目的に小野・加東両市の合同作業所へ通うようになりました。13年には家族会の会長様からの要請で、月1回の「カレーの日」を作るにあたり、ボランティアグループの結成をと考え、養成講座受講者に呼びかけ、精神保健福祉ボランティア「ステップ」を立ち上げました。心の病に苦しむ人の居場所づくりとその運営、市からの受託事業にも取り組み、代表を10年務めて参りました。
今日までの私の活動は、すべてにおいて周囲の方々の支えと協力があったからこそと感謝しています。これからも微力ながら地域の皆さまのお役にたてるように励んでまいりたいと思っています。
最後になりましたが、この度の受賞に改めて感謝申し上げますとともに、貴財団の益々の御発展をお祈り申し上げます。
國井 美保子