受賞者紹介

平成26年度 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

ふくずみまちちょうないかい

福住町町内会

(宮城県)
福住町町内会 会長 菅原 康雄
会長 菅原 康雄

宮城県仙台市宮城野区の福住町の412世帯が加入している町内会で、昭和61年の豪雨災害を契機に「日本一災害に強い町内会」を目指してきた。災害対応チームを結成し大規模な防災訓練の実施、防災マニュアルの整備を行い、尾花沢市や小千谷市など他県の自治体の町内会と民間レベルの相互助け合いを目的に「災害時相互協力協定」を締結していた。東日本大震災発生時にはいち早くマニュアルに沿って行動し、集会所に避難所を開設して行政の支援を待たず炊き出しを行い、近隣の避難所にも食事を届けられるほどだった。「福住町方式」は注目を集め、同町の防火・防災訓練には多くの団体が視察に訪れる。

推薦者:震災復興支援グループ「きぼう」

この度は栄えある社会貢献の功績受賞を賜り衷心よりお礼を申し上げます。まさかこの様な立派な賞を戴けるとは思いもよらない事で、福住町町内会を代表して感謝致します。受賞後のパーティーには、町内会役員と協力者計14名の参加で祝賀ムードも最高に盛り上がりました。

石巻市北上町の市営避難所へ頂いた物資を提供
石巻市北上町の市営避難所へ頂いた物資を提供

さて、受賞戴きました仙台市宮城野区福住町町内会は、東日本大震災が起きる8年前から巨大災害に備える為の防災に力を注ぎ、後に「福住町方式」と呼ばれる独自の防災組織を作りました。公的機関を頼らず、町民自らの自主防災は、住民400世帯、1,000名の名簿を約2ヶ月で完成させ、又、防災マニュアルをはじめ、減災に徹する姿勢は各マスコミに取り上げられました。会長1名に12名の副会長で誰が不在でも災害に対応できる様に訓練しています。年1回の防火防災訓練には他県からの協力者、見学者が沢山来られます。小・中学生が参加して、これは授業扱い。翌日代休となります。訓練が行われる福住町公園には、テント20張り、参加人数500名。町内会行事は、2日に渡る夏祭りを始め灯籠流しと花火大会、敬老祝賀会、早朝町内清掃、子供お別れ会、公園草刈り清掃、梅田川草刈り清掃などがありますが、老若男女大勢の参加者で賑わいます。

東日本大震災では、福住町の側面を流れる梅田川が溢れる寸前で、津波の被害は免れました。しかし震度6強の地震でライフラインは断たれました。余震に脅える町民は当夜から170名、内100名は町内会集会所に集まり、日頃より備え訓練で培われていた作業を開始し、暗闇を照らす灯り、暖をとるストーブ、毛布、暖かい三度の食事で町民を守りました。食料が尽きた4日目の朝、震災より以前に結んでいた「災害時相互協力協定」の尾花沢市と鶴子地区区長会の皆様あるいは交流のあった小千谷市池ヶ原地区の皆様など他県近隣から続々とトラックで食料が集会所に運ばれました。地獄にあって仏とはこの事と涙が出る程感激しました。支援物資は集会所に収まり切れず、溢れる生活物資は、津波被害に苦しむ沿岸部へ送ることを決意しました。志をいち早く理解し協力して下さった当時の仙台市髙砂市民センターの浅見健一館長と共に、福住町町内会役員は一丸となって東北一円を毎日回りました。公的支援の届かない町や個人を探して3年間で140ヶ所以上。

今日では動物ふれあいなど様々なメンタルヘルスケアに全力投球していますが、私たちの支援活動は、応急仮設住宅に残る最後のお一人まで続ける覚悟でおります。

福住町町内会 菅原 康雄

  • 昭和61年の福住町町内全域の豪雨災害 総雨量402mm
    昭和61年の福住町町内全域の豪雨災害 総雨量402mm
  • 福住町防災マニュアル
    福住町防災マニュアル
  • 大船渡の避難所へ支援物資を提供
    大船渡の避難所へ支援物資を提供
  • 石巻の小学校に提供したランドセル
    石巻の小学校に提供したランドセル
  • 東松島町月浜の避難所にて動物の検診
    東松島町月浜の避難所にて動物の検診
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」