社会貢献の功績
特定非営利活動法人
チェルノブイリへのかけはし
チェルノブイリ原発事故の影響が残るベラルーシ共和国の子どもたちを北海道などに招き、健康回復と放射能を排出させるために保養させる活動を1992年から行い、648人を受け入れてきた。福島原発事故の発生により2012年からは同国へ向けた活動は休止し、福島県など約40人の子どもたちを受け入れる活動を行っている。
授賞式の日、賞状をいただいたとき、思わず涙が出てきました。あのような大舞台をご用意いただきましたが、自分たちの普段の活動からかけはなれた華やかさに圧倒されて現実感がありませんでした。
しかし、前日からさまざまな活動をされている団体のご苦労をお聞きし、同じ思いをされている人たちがこんなにいらっしゃり、光をあてていただいたこと。そんな想いが重なり合って、賞状をいただいたときに、様々な思いが「わっ」とこみあげてきました。あのような壇上でおいおい泣くわけにもいかず、必死で我慢していましたが、会場にいたメンバーはさすがにめざとくみつけて、「泣いていたでしょ」と後でつつかれました。実際、壇を降りたときは、号泣しそうでした。それは、普段意識をしないようにしていますが、やはり活動は「大変」なんだということ。そして、その一言を言ってしまえば、崩れてしまうものがあります。
自分たちの表現や活動が稚拙なために、救援活動が社会へ認知されないことへのもどかしさ、チェルノブイリの子どもたちに顔も浮かんできます。原発事故被災児童の救援、20年といってもまだまだ新しい救援活動の分野なのです。医療でもない、国際交流だけでもない、「社会貢献」ですよと、認めてくださったことが、大きなエールでした。
では、次に私たちは何をしたらいいか?
やはり、私たちは被災された方がたや子どもたちに寄り添い続けたい。日本で起った福島原発事故も、チェルノブイリの時のように、被害を受けた方が社会からの無理解や差別されるなどの社会現象が起ってくると予測されます。
たとえば、「放射能恐怖症」と一言で片付けられる事象があります。その「恐怖」を一笑に付されたり否定されたり、理解されない環境が続けば、精神的病になり、身体症状にまで及んでしまうのです。つまり、人間であるからこその苦悩が起ってきます。
子どもや家族の健康は大丈夫か…、あれだけの大きな地震、事故、職業や収入の変化、引っ越し、仮設住宅、子どもたちを取り巻く環境の激変。しかし、社会は被災者に対して、あまりに早い適応を求めすぎています。
事故の被害が大きかったベラルーシの保養所では大人も子どもも、ヨガ、アロマテラピーに加え、栄養をたっぷりとる療法などが積極的に導入されています。
「保養」というのは心身のリハビリなのです。このような保養の意義を被災された方々に知っていただきたいと思っています。小さなパンフレットを発行して、お伝えしていきたいと考えています。
社会貢献者表彰からいただいたエネルギーをチェルノブイリにも東日本にも、お届けしたいと想います。
特定非営利活動法人 チェルノブイリへのかけはし
代表 野呂 美加