受賞者紹介

平成24年度

東日本大震災における貢献者表彰

くろいわ かずほ

黒岩 和穂

(61歳:高知県安芸市)
黒岩 和穂

高知県隊友会の会員(元自衛官)で隊友会が5月連休明けから行ったボランティア活動に参加。全国から参集した約600名の隊友会の防災ボランティア活動の中心となって、現地生活やボランティア活動上のノウハウ等の指導を行った。石巻、気仙沼、岩沼地区で約2ヶ月に亘り瓦礫撤去、泥土の排除、旅館での約3,000枚に及ぶ皿の洗浄、漁協のコンテナ撤去など広範囲に及ぶ作業を行い、隊友会が作業を終了した後も気仙沼市に残り17日間にわたりボランティアセンターの一員として活動資材の整備や貸し出し、ボランティアのオリエンテーション時の活動指導など、センターの運営を支援した。

推薦者:公益社団法人 隊友会

私は、常日頃から『生かされて生きる』を座右の銘の根本とし、人生の糧としております。この事から"自分が今あるのは、自衛隊及び社会(国民)のお陰である"何時かそのご恩に報いる活動を行いたいと心に留めていました。

この度の東日本大震災に際し、隊友会がいずれ防災ボランティア活動を行なうとの思いでその準備状況の推移を見守るとともに、私自身の活動できる期間を3ヶ月としておりましたので、食料、水、衣類、ガスコンロ、LPG等々準備しておりました。

そして、隊友会から五月連休明けから活動を行うとの情報を得、早い時期から、活動の全期間に参加したいとの希望を告げておりましたところ、隊友会本部から希望どおり意志をとおして頂き、全期間に亘る参加が出来ました。

活動については、隊友会としての組織的活動は、約2ヶ月に亘りました。また、組織的活動終了以降は、個人で17日間支援活動しました。

現地でのボランティア活動は勿論、全国各地から参集する新たな隊友会ボランティアグループからの問い合わせに等に対し、現地生活やボランティア活動上の準備や心構えなどを、説明する等効果的に活動出来るよう努めてきました。

また、隊友会としての組織的活動が終了した後も、17日間自ら気仙沼市に残り、ボランティアセンターの一員として資材の整備、貸し出し、それまでの現場経験を生かし、ボランティアの方々への指導、人員輸送に従事させて頂きました。

また、宮城県でのボランティア活動を終了後は、郷里高知県に戻り、四国霊場を巡り震災で亡くなられた方々へご供養のため巡礼を行い、御朱印掛け軸を寄贈させて頂きました。

活動の内容としまして

  1. 1現地での隊友会組織としてのボランティア活動
    5月9日(月)〜24日(火)までの間石巻地区、5月26日(木)〜6月10日(金)までの間気仙沼地区及び6月12日(日)〜27日(月)までの間岩沼地区において、民家内外の泥土の排除、家具の搬出、後片付け、瓦礫の撤去等一般住宅での活動の他、旅館での約3,000枚に及ぶ皿の泥落し、ビニールハウスの損壊に伴う散逸したビニールの回収、畑地表面土層の排除、アルバム等記念物品の清掃、更には漁協コンテナの撤去等広範囲に及ぶ活動を連続して行ないました。
  2. 隊友会組織活動後のボランティア活動
    6月29日(水)〜7月15日(金)までの間気仙沼ボランティアセンターにおいて、センターの一員として資材版にて資材の整備、貸し出し、オリエンテーション時ボランティアの方々への指導、ボランティアの人員輸送等の支援。
    義援金支援(7月17日(火)気仙沼社協から感謝状受領)。
  3. 震災で亡くなられた方々へのボランティア活動として(震災で亡くなられた方々へご供養の巡礼)
    8月22日(月)〜9月13日(火)四国八十八カ所及び高野山奥の院巡礼
    9月29日(木)〜10月11日(火)岩沼復興状況視察、石巻市、気仙沼市へ御朱印掛け軸寄贈、気仙沼市ボランティアセンターへ激励ボランティア、地元市民の要望による復興支援活動(気仙沼魚市場での復興イベント)。

この経験から、いずれは私どもの県にも地震災害が発生するであろう事から、生きているうちに発生したならば多いに役立てると考えております。

ボランティア活動終了後同郷の友人から、自分達の代わりに行ってくれと感謝されております。また、彼等に活動当時の悲惨な状況や経験を語り継いでおります。

今後の展望という事ではありませんが、『過去となられた方(被災して亡くなられた)』『現在の方(被災され助かった方)』は、この度のボランティアに於いて僅かですが恩返しできたのではと考えています。しかし『未来の方(少年や少女(未来を背負って生きていく方))』にはまだ終わってなく、これから支援できる事はないか思案中です。

その中であの陸前高田の一本松の勇姿を残せないものかと願っています。

この町を必死になって守ろうとしたあの松の勇姿に、鳥肌が立つ程の感動を覚えている昨今です。

岩沼市での作業

私は、命のボーダーラインを70歳としてそれまでは何らかの形で世の中に役立てていこうと考えております。その一環として、現在地元で高知県の出先機関福祉保健所の保健師と調整しながら肝炎患者の方々へ役に立てるよう奉仕活動に努めています。

宮城県岩沼市での活動状況を平成23年6月26日サンケイスポーツに掲載して頂きました。

最後になりましたが、この賞へ推薦して頂いた隊友会本部は勿論ですが、愚輩のような者を取り上げて下さいました公益財団法人社会貢献支援財団の方々に心から感謝致しますとともに、心からお礼を申し上げます。

これを機に、自信を持って益々奉仕活動につとめる所存で居ります。

また、副賞につきましては大変な額、驚いております。

これにつきましては、全ての金額を現在奉仕活動しております高知県の出先機関福祉保健所と、安芸市役所等々市民のために使って頂くよう考えております。

ほんとに有り難う御座いました。

  • チリのボランティアと共に
  • ボランティア活動の後、震災で亡くなられた方のために四国を巡礼