東日本大震災における貢献者表彰
セカンドハーベストなごや
特定非営利活動法人
セカンドハーベスト名古屋
ジョン・シーランド
規格外や賞味期限に近づいているなど流通していない食べものを引き取り生活困窮者に「フードバンク」といわれる活動を行う団体で、震災後、緊急支援として3月23日に支援物資の受付を開始し、東京のセカンドハーベストジャパンを通じて被災地に届けた。その後、愛知県を中心に市民に呼び掛け、参加者に規定の箱に食品や菓子や手紙を詰めた「ごはん応援箱」を作ってもらい、公的支援の無くなった宮城県亘理郡山元町の仮設住宅入居者1600世帯へ配布し、7月2日の第1回目の配布開始から12月4日の7回目で全世帯へ配布を終えた。山元市以外の地域にも12月中旬までに累計で1500箱配布する見込み。今後も「ごはん応援隊」を継続する予定。名古屋の大学や主婦なども巻き込んで活動を行っている。
震災直後の緊急支援が一段落した4月下旬、現地と今後の活動の在り方について相談した。強く指摘された事は、被災者が仮設住宅に入居した後の支援の必要性であった。一切の財産を失っている被災者が避難所を出て仮設住宅に入れば自立を迫られる。生計の目途が立たない彼等に、寄り添うような物心両面の支援が必要との意見を受けて「ごはん応援箱」の企画が生まれた。
しかし、何処でどうやって配るかの問題が発生した。仮設住宅は行政側の管理下にあり、勝手に配る事はできない。また、配るにしても公平の原則から全戸数に配る事が求められた。
名古屋からのオペレーションで、そういう問題を解決するのは難しく、調べた結果、宮城県亘理郡山元町では、震災以前からNPO法人亘理山元まちおこし振興会が活動しており、仮設住宅全1030世帯への配布を引き受けてもらえることができた。
〔支援活動内容〕
- 仮設住宅入居者1世帯に一箱、入居後の生活に必要な食品を10kg相当詰め合わせる。
- 「ごはん応援箱」には、箱毎に寄贈者の名前が記入されていて、事務局は何処の仮設住宅に何時配布されたか記録する。
しかし、名古屋で誰に呼びかけるか全く当てがなかった。まず、他のNPO団体等に呼びかけて、「なごや食卓応援隊」を結成し、推進母体とした。
そして、6月10日にNHKのTV番組に出演する事ができ、この放送を見て、120箱相当分の寄付を申し出られた方が現れ、第1回目の発送が可能となった。8月9月と時間が経過すると共に、市民や団体などの提供者が増えて、当初の予定をはるかに上回る1601箱集まり、山元町の仮設住宅だけでなく、福島県新地町等にも贈ることができた。
受領された被災者が喜ばれたことに加えて、個人として支援出来なくなっていた、名古屋市民の方へプレゼントする機会を提供できた意味は大きい。
そして、生活に必用な食品を提供するという面に加えて、被災者の方に心の支援をするのが大きな役割になっている事がわかった。
新年からは「ごはん応援箱(おやつでいっぷく)」を始めた。心の支援を食べ物に託して贈る意味合いで、また被災者の方がくつろぐ機会を提供したいという思いを込めて、お茶とお菓子の詰合せとした。3月11日の1週間前に第1便を贈ることができた。
愛知県では、大きな規模で支援されている団体がいくつもある中で、ささやかな我々の活動を評価してくださったのは、望外の喜びです。心から感謝申し上げます。