東日本大震災における貢献者表彰
埼玉県赤十字災害救援奉仕団
埼玉県内に在住の赤十字防災ボランティアで構成される団体で、震災発生当日から日本赤十字社のボランティアセンターが閉鎖した8月末までに、延べ323名の団員が支援活動に参加した。赤十字ボランティアを被災地へ派遣する調整を行った他、医療救急班の派遣支援、救援物資の搬送準備、いわき市や南三陸町で瓦礫の撤去や漁業に使用する土嚢作りなどを行なった。
私たち埼玉県赤十字災害救援奉仕団は、赤十字の基本原則(人道、公平、中立、独立、奉仕、単一、世界性)に賛同し、日本赤十字社(以下日赤)と協力しながら活動するボランティア組織(奉仕団)です。
阪神・淡路大震災の発生した1995年に創立され、日赤埼玉県支部が実施する防災ボランティア養成セミナーを受講し、防災ボランティアとして登録した人の中から、普段より災害や防災にかかわる活動をしたいとの志を持った仲間が集まって活動をしています。このように災害での活動を主とした奉仕団は全国的に珍しいものです。
創立から今日まで、幸いにも埼玉県内では大規模災害は発生していませんが、近県で発生した那須水害(1998年)、新潟水害(2004年,2011年)、新潟中越地震(2004年)、中越沖地震(2007年)などで現地活動や後方支援活動を行ってきました。
また、普段は防災啓蒙活動として、各種防災訓練の支援や講話、赤十字普及活動に協力などをさせていただいています。
こうした経験を活かし、今回の震災では発生後数分のうちに団員間の連絡メールが発信され、活動を開始しました。
最初は、日赤埼玉県支部における災害救護活動への支援活動です。
その後、今回の東日本大震災では、被災の規模も内容も従来の災害とは比べ物にならないことから、全国の赤十字ボランティアと被災した現地とを繋ぐ橋渡し役となるため、日赤本社ボランティアセンターを立ち上げました。センター運営は、他の支部の仲間と協同で行いました。
また、東北3県における日赤の様々な活動の支援とともに、奉仕団独自で福島県いわき市での瓦礫撤去作業、宮城県南三陸町での漁業支援活動など、地元社会福祉協議会が開設したボランティアセンター経由で活動したり、現場へ行けないメンバーとともに、街頭募金活動を行ったりしています。
私たち災害や防災にかかわるボランティア団体の特徴として、災害時の活動ではメンバーの士気も高く、充実感もある一方、災害の起こらない平時にどれだけメンバーの士気を維持するのかが課題となってきました。今回このように私たちの活動を評価していただけたことで、これからの活動に大変よき励みとなりました。
最後に赤十字にはこんな言葉があります。この言葉を大事にしながら、これからも東日本大震災に関する活動を続けるとともに、次に起こる災害に備えていきたいと思います。
『わたしたちの決意』
わたしたちは赤十字運動の担い手として、人道の実現のために、利己心と闘い、無関心に陥ることなく、人の痛みや苦しみに目を向け、常に想像力をもって行動します。