受賞者紹介

平成24年度

東日本大震災における貢献者表彰

NGO MIRAI〜みらい

NGO MIRAI〜魅来

(埼玉県川口市)
NGO MIRAI~魅来 代表 藤吉裕二
代表 藤吉裕二

川口市のボランティア団体で、3月18日宮城県石巻市への支援物資輸送をきっかけに、毎月第2、第4金曜日の夜に同市よりボランティアバス「笑顔(^0^)届け隊」を運行し、土曜日・日曜日に石巻市・女川町において心のケア(瓦礫撤去や側溝掃除も含み花植えや話し相手、勉強や遊び相手になるなど)に重点を置いて、自分が出来ることをと、4歳から70歳のメンバーが活動を行っている。

推薦者:社会福祉法人 川口市社会福祉協議会

2011年3月11日の東日本大震災以後、近所の人、仕事仲間、友人、親族等に声をかけ、宮城県石巻市内避難所の様子を伝え、支援物資を集い3月18日に石巻市内の避難所に届けに来た時に、あまりの震災の被害の大きさを目の当たりにして、とにかくこの瓦礫を撤去し道を通れるように、早急にしなければ…と思い、瓦礫撤去を始めました。

すると、病院からの依頼で、1階の厨房が津波で被害を受けたため、入院患者にお粥も出せないので、「院の敷地内の瓦礫を撤去し、大型のキッチンカーを設置したい」という話を受け、病院の瓦礫撤去に向かった。が、瓦礫の数も物凄く、夜真っ暗な中、電気をつけて夜遅くまでかけて片付けた。その時思ったのが、全体的にボランティアの数がこの震災の規模に比べて少なすぎる…ということでした。

女川町の様子

地元埼玉県に戻り、バスを出して人を募ろう!と仲間に声をかけ、チラシやポスターを作り、駅やお店などいろいろな所に配り、2011年4月27日に復興支援チーム「笑顔届け隊」として第一陣のバスを出しました。

そこから2週間に一度、第二・第四の週末にバスを出し続け、その時々の被災地のニーズに合った支援をしてきました。

色も無く真っ暗な避難所を明るくしたいと、埼玉から花と土をもって来て、避難所の周りの泥を取り除き、花を植えたり、ボランティアの参加者の中に特技がある方は、その技を活かし、マッサージをしてあげたり、マジックや腹話術、落語に踊り、乗って行ったバスを開放して、カラオケバスを題して大きな声を出して発散してもらったり、更衣室のない避難所に更衣室を作ったり、あらゆる事をしてきました。これと言って特技等は無いので力仕事をと言う方には、瓦礫撤去や泥出しなどで活躍していただきました。

暑くなってくるとハエが大量発生しました。その発生源の一つとして、側溝に溜まったヘドロに蛆がわきハエが増えていると知ると、「側溝掃除部隊」を募り、側溝掃除に励みました。避難所にはエアコンが無いどころか網戸すらなく、蒸し暑い中、夜は寝苦しいが蚊にくわれるので窓を閉めて過ごしていると知ると、行政に掛け合い「網戸取り付け隊」を募り、たくさんの避難所に網戸を取り付けました。

石巻市長からお礼状もいただいたのですが、何よりうれしかったのが避難所の方々が「これで今日から窓を開けて眠れるのですね。ありがとうございます」と最高の笑顔を見られてことでした。

その後、避難生活から仮設住宅移ると、抽選で決まっていくので、知らない人同士が隣り合わせで暮らしていて、一人暮らしの方などは一日一度も声を発していない人もいると知り、孤独死などを防ぐため、コミュニティーを作ろう!と各仮設住宅でバーベキューを開きました。住民の方々を外へ出し、手伝ってもらいみんなで楽しいバーベキューが終わり、私たちが帰る時、仮設住宅の方々が「久しぶりに今日は楽しくさせてもらい、こんなに笑ったのも震災以来初めてです」とか、「今日はありがとうございました。これで明日から近所の人とご挨拶ができます」など、最高の笑顔を見ることができました。

そして一年が過ぎ、私は石巻に住まいを移し、こちらの方々の「福幸建創」という名の会社を立ち上げ、雇用を作りながら、私の特技である建築という分野で技術を伝えながら、1秒でも早く皆さんが元の生活に戻れる様に励んでいます。

まだまだ被災地では瓦礫が散乱している所など手つかずの所もあります。

週末の休日には、ボランティアも集まり、瓦礫撤去を今でもしています。まだまだボランティアは必要です。そしてボランティアで被災地に来ることが、風化を防ぐ事と思っています。ボランティアの派遣にご協力を宜しくお願い致します。

また、建築などの技術者はどんどん被災地に来て、その技術を伝えに来ていただきたいので、併せてご協力をお願い致します。

  • 2011年4月24日
    石巻市住吉中学校にて
  • ボランティアバス
  • 渡波中学校避難所
  • 渡波中学校で救援物資を配布
  • 万石浦中学校避難所
  • 万石浦中学校避難所の様子