受賞者紹介

平成24年度

東日本大震災における貢献者表彰

たかはし みのる

高橋 實

(74歳:宮城県仙台市宮城野区)
高橋 實

仙台市宮城野区和田町内会長で、自身も被災し九死に一生を得たが、翌日から4地区をまとめる中野4町会長として一人地元に残り、各町内の被害状況の把握をはじめ、被災者の安否確認、自衛隊との瓦礫撤去立ち合いや警察との犠牲者捜索協力に不眠不休で対応した。また、中野小学校区災害対策委員会を3月20日に結成し、犠牲者の捜索、瓦礫の撤去、仮設住宅の早期建設などを行政に要望し、仙台市に陳情する等、諸問題の早期決着に尽力した。7月以降委員会は中野小学校区復興対策委員会と名称を変更し、地域の集団移転と中野小学校の存続について仙台市、市長に陳情を行っている。

推薦者:大和田 哲男/仙台市宮城野区

悪夢のような、昨年3月の東日本大震災から、早や満1年目を迎える時期になりました。

自宅付近に押し寄せた津波

巨大地震による被害は、津波による被害でした。日本の歴史上、千年に1度の巨大津波が多くの犠牲者を生みました。

私たちの中野地区は、市内で、最も被害の大きな地区のひとつとなりました。津波による犠牲者が多かったことは、津波に対する認識の不足と、これまでの警報の内容と実際に来た津波のギャップが警報を甘く捉えた大きな要因であったかもしれません。

犠牲者の多くは、高齢者でした。これが夜の津波であったなら、次世代を担う、多くの子どもたちも犠牲になったことと思います。

震災以来、私も微力ながら、無我夢中で災害対策、復旧・復興の難問題にどっぷりはまった1年だったと、今となっては、思っています。

たまたま、町内会会長だったという身のため、命が助かった限りは、使命感を持って、行政側の仙台市役所・県庁はもちろんですが、宮城野区役所に日参してまいりました。

区長を始め、副区長、部長、各課の課長・係長様たちに休日・祝日、おかまいなしに相談に上がり心温まる御助言・御指導を受け、甚大なパワーと助力を得て、大きな責任を感じながらも、お互い様・お蔭様の心情で、地域のリーダー格の一人として努めて明るく前向きに、頑張って来ました。

それも、今考えますと、感謝あるのみです。住民のため、未来の子どもたちの将来の事を思う時、「新しい歴史を作るのだ」そんな理念を持ちながら、「笑う門に福来たる」とプラスイメージで頑張れば、真の福の神が舞い降りると信じ、明るく、明るく歩んで来ました。

この災害で、人間として毎日の平凡(普通)の生活がいかに幸福だったのか、改めて実感しました。

でも、災害で出会った人たちは、皆素晴らしかった。自衛隊の隊員を始め、警察官・消防、多種ボランティア団体の活動は、涙が出るほど有難かったです。

また、この各方面の責任者たちの温情に数多く出会い、施心・洗心・無心・親心が充電され、復旧・復興のアイディアや協力など、ふるさとの更なる進歩・発展が望めると確信いたしました。

私自身、社会貢献支援財団の存在すら存じておりませんでしたが、知人たちの推薦に預かり、表彰されると言う事は、身に余る光栄です。ありがとうございました。

中野小学校区復興対策委員会の委員長として、防災に強い安全安心な街づくりを目指して、益々頑張ります事をお誓い申し上げまして、御礼の一言と致します。

平成24年3月

中野小学校区復興対策委員会

委員長 高橋實

  • 活動中の髙橋さん