社会貢献の功績
呉山 良雄
湖南市で25年にわたり、警察や学校と連携しながら、地域の清掃活動などを通じ素行不良の青少年たちの更生と育成を続けている。自身の子が通う中学校のPTA会長を務め青少年を指導する過程で、大人が本気で関われば子どもは変わるという体験から、平成10年に「青少年指導支援の会」を設立。平成15年に、更生したかつての非行の若者を集め、地域の清掃活動に取り組むための若者ボランティアグループ「スイーパー」を設立。清掃や特別養護老人施設の支援、不法投棄されたゴミの撤去を請け負うなど、警察や地域との信頼関係を育む中で活動を続けている。
20数年前より、先生方の指導では困難を極める地元中学生と学校からの相談、依頼によって関わりをもち始め、青少年を支援する大人の組織を再編成してから13年が経ちます。
組織の名称は「青少年指導支援の会」(以下「支援の会」)とし、現在会員は、代表を務める私を含めて11名を数え、会員の職種は教師や市職員、会社員、主婦等、様々である。結成当時は4、5名であった会員が徐々に増え"大人(会員)自らの人間性を高めよう"そして"何よりも継続していこう"を合言葉に活動を続けてきました。それだけに今回の受賞は、思いと行動を同じくする「支援の会」全員の喜びであり、代表を務める私にとっても、光栄です。
これまでを振り返って強く思うことは、青少年自身の育ちの困難さよりも、関わる大人達の意思疎通の難しさであります。機会あるごとに大人同士の意見交換を繰り返しながら、今日まで進めてきたことが絆を維持し継続につながったと確信しております。
現在は、若者の清掃グループ「スイーパー」(中学生時代から関わりをもってきた子供達が中心になって8年半前に結成)の活動支援、毎年10月頃から始める地元中学三年生の進路実現に向けての勉強会支援、さらには青少年の就労支援、そして講演活動等を地道に行っています。
「スイーパー」については、今日まで月に1回の清掃活動に関わりながら、年に数回の研修バス旅行やボウリング大会等の行事を行っており、県内の名所旧跡を若者達と巡る旅は、「支援の会」の大人にとっても新たなエネルギーをもらう場となっております。また中学三年生との関わりは、地元中学校との懇談を定例化しながら、学校からの依頼によっても行っており、もちろん進学・卒業できるようにと家庭訪問をしながらの激励、支援も行っています。
この活動を継続してきたことによる成果として、青少年達自らが自立の方向へと向かうことで、結果的に地域の治安や安全面の向上が挙げられます。10数年前は、地元交番のパトカーの出動が日常的に繰り返されていた街も、若者に関しては苦情、出動が激減し、現在は住民が安心して暮らせる事が嬉しく思います。
今後も、地元の中学校と連携をとりながら、若者の自立に向けて息の長いサポートを組織的に行っていきたいと思います。
課題を抱えた青少年達は、絶えず自分達に関心を持ち、本気で係わってくれる大人を求めています。私達、青少年指導支援の会のメンバーは、いかに本気で熱意を持って活動を継続することが出来るかにかかっています。今回の受賞は個人の受賞ではなく、警察、行政、中学校、高等学校、地元住民との連携があり、青少年指導支援の会という組織で活動をしている事に対して、評価されたものと心より感謝を致しております。この大きな励みをより新たな心構えで青少年達と係わる事を嬉しく思います。
有難うございました。