社会貢献の功績
NPO法人
かものはしプロジェクト
カンボジアを訪れた際に同国の児童買春の存在に衝撃を受け、その撲滅を目指して活動をしている。貧困が理由でこの問題が起きていると知り、「かものはしプロジェクト」というNGOを平成17年に設立し、地元の作物を使ったブックカバーなどを製造し、雇用を創出して貧困から脱却する事に加え、被害に合う子どもたちを水際で食い止めるために、地元のNGOと共に孤児院支援や警察官の意識改革のためのトレーニングプロジェクトへの助成などの活動をされている。
この度は、当団体に栄えある賞を下さり、大変感謝しております。皆様に、少しだけ私たちの活動の紹介をさせて頂きます。
活動を始めたきっかけは、19歳の時に、私自身が児童買春の問題と出会ったことから始まります。東南アジアに住む15歳女の子が、家族のために出稼ぎに出て、騙されて売春宿に売られ、エイズで亡くなるという実話を授業で聞きました。彼女と私の違いは、生まれた場所が違うということだけです。それだけで未来を選べずに傷つけられる人が世の中にはいる。私はこの事実を知って、いてもたってもいられなくなり現場を見に行くことを決心しました。
現場に行くと、予想よりもはるかに残酷な現状を目にしました。カンボジア滞在中、児童買春の被害者を保護している施設で、6歳と12歳の姉妹に出会いました。二人は借金の形に取られ、売春宿で強制的に客を取らされ、その後保護されました。このとき、幼い子どもを含む、多くの被害者がいる事実を目の当たりにし、衝撃を受けると共に、何とかこの状況を変えたいと思いました。そして、2002年に仲間と共にかものはしプロジェクトを発足したのです。
かものはしプロジェクトは、児童労働の中でも、最も子どもの心と体を傷つける児童買春・人身売買問題をなくすために活動しています。
私たちは、当時、急激に児童買春被害者が増加していたカンボジアで、民芸品工房を運営しています。児童買春問題の根本原因は、「貧困」にあり、貧しい家庭の大人に就業の場を提供することで、貧しさから子どもを売り渡すことを未然に防いでいます。このような活動の中で、収入を得て子どもが学校に行けるようになった等、嬉しい報告もあります。ミッション達成に向けて試行錯誤をする日々ではありますが、少しずつ成果も出てきました。今後、この事業できちんと収益が出るようにしていき、他の地域にも活動を展開していきます。今後も、一人でも多くの子ども達の笑顔を守りたいと考えています。
一方、日本では、サポーター・IT事業の二本柱でカンボジアの活動を支えています。サポーター事業では、ご支援してくださる方々を募集しています。また、イベントやWEBを通して活動報告を行っており、それと同時に、多くの方々が楽しく国際協力に関わる取り組みにも力を入れています。IT事業部は、企業のWEB制作の一部である、htmlコーディングを行い、かものはしプロジェクト全体の活動資金を創出しています。こうして、カンボジアと日本が一体となり、「笑顔がつながる世界」の実現に向けて、日々尽力しています。