社会貢献の功績
木村 義次
「鳥雲」という徳島県出身で戦時中モンゴル人の養父母に匿(かくま)われて育ち、同国の教師となり後にモンゴルの砂漠の緑化に尽力した人物に感銘を受け、同志を募り中国内蒙古ホルシン沙漠緑化大作戦を平成8年から開始し、延べ18回、700名、300万本の植樹をした。また、植林の他に平成11年から中、高生対象に奨学金を8名に贈り続けるとともに、小学校3校、中学校寄宿舎1校を建設されている。
「報恩の沙漠植林に共鳴して」
命を堵して敵国の少女を庇護してくれた中国人への恩返しに、沙漠に植林をしていると、涙いっぱいに話しかける、中国残留日本人孤児「烏雲」ウユン(日本名、立花珠美さん)の講演を聴いて、自らも落涙やまず、痛く共鳴。
「ヨーシ、やったる」。30年間ライオンズクラブの社会奉仕で培ってきた体験の集大成はこれだ、と感激して以来、「やればやれる、やらなんだらできん、みんなでやろう。」を合い言葉として、テレビ、ラジオ、新聞や講演によって、個人や各種団体に訴え続けた。
「中国内蒙古ホルシン沙漠で、拡がる沙漠に植林して、昔の緑の大地を再生しよう。」
報恩と云う人間最高の愛を捧げている「植林隊」の理念は、多くの人の心を揺さぶった。私達の運動に実践参加者は、1996年より11年間に、延べ637名の同志が渡蒙、1000haに300余万本を植樹。植林の必要性を痛感した中国一般民衆から、多数の共鳴実践者が輩出したことと、沙漠の中の学校が、森の中の学校へと変貌したことである。また隊員の中には、教員ご経験者も多く、学校施設の充実や、奨学金を10年間継続実施した結果、現在受給者の多くが、中国社会で、高度な活躍をしているニュースも私達への嬉しいプレゼントである。
このような状況を見ることができるのも、多くの日本人先覚者の不撓不屈のたゆまぬご努力の賜であり、私達植林隊の活動に、陰に陽になってご指導いただいた、岩手県の菊地豊氏と今は鬼籍におられる、友の細川昭典、第3代理事長のご功績を看過することはできません。
そして、この誌面に書き列べたい多くの同志が、日本各地に点在しておられることです。
最後に、私達が設立したNPO法人烏雲の森沙漠植林ボランティア協会の後継者が、今後も渡蒙し、地球環境保全のため、継続植林の奉仕に精出していただいていることにも、感謝と敬意を表します。