社会貢献の功績
特定非営利活動法人 子供地球基金
1985 年、息子に通わせたい幼稚園が見つからず小さな幼稚園を創った。自分を自由に表現するアトリエのような学校を創り表現教育の場とした。
その教育カリキュラムの一環として、子どもたちのボランティア活動を日課とした。小さな子どもであっても地球人の一員として、自分の能力を社会に還元すべく、近隣のごみ拾いや、老人ホームに歌を歌いに行ったり、末期ガン患者の病床に元気が絵を貼りに行くなど様々な活動を子どもたちとしてきた。その活動が新聞記事として取り上げられ近所の子どもたちやボランティアの人々が参加して下さるようになり、88 年「子供地球基金」へと発展した。今では、約40 ヶ国の国々で子どもたちが、より幸せに、健康に生きていける環境を作る為、物心両面からの支援を続けている。
子どもたちと世界中で絵を描くワークショップを行い、子どもたちに表現する事の大切さを伝えている。どんなに苦しい状況下にあっても、内在する思いを吐き出し、絵を描くことで子どもたちが、セルフカウンセリングしているのである。自力で困難な状況に立ち向かい、現実を受け止め力強く生きることで未来への希望へとつなげている。Kids helping Kidsのスローガンのもと、子どもたちの絵が様々なデザインに使われ、商品の収益の一部で子どもたちのサポートをしている。
子どもたちが、人の役に立てる事で自分に自信を持ち、生まれてきた意味や重要感を感じている。実際に子どもたちの力で画材、絵本、医薬品の寄贈のみならず、これまでに世界10ヶ所のKids Earth Homeの設置もしてきた。
心に傷を受けた子どもたちへの精神的サポートを永続的に行う場とし、クロアチアには戦争孤児の家、カンボジアの孤児院や小学校、ベトナムのストリートチルドレンの家などを作り、設置後3~5年で現地に根付いた活動としての独立を目指している。国内では、小児病棟、養護施設、更生施設などを定期的に回り、子どもたちと絵を描くワークショップを行っている。
また池田小学校殺傷事件、神戸、新潟震災等の緊急支援のワークショップも行っている。活動で描かれた、子どもたちの絵画に込められたメッセージを人々に伝える為、フランス・ポンピドーセンター、ロシア・プーキシンミュージアム、スイス・ガット本部など、世界各地で3,000回近い展覧会を開催している。日本で生まれたNPOが、海外に広がり、現在アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ、アジアでも同じ活動をしている。
「子供地球基金」の活動を世界に広げ多くの人々と絵を通して交流し、さらに友情の輪を広げていきたいと願っている。
(代表・鳥居 晴美)
受賞の言葉
夢中で活動してきて、気が付いてみますと 21 年。戦争孤児、エイズ孤児、ストリートチルドレン…世界中で数え切れないほど多くの子ども達との出会いがありました。今回このような栄えある賞を頂けたのも、多くの方の支えがあってこそと改めて感謝の気持ちで一杯です。すべての世界中の子ども達が、のびのびと絵が描ける環境を手に入れる日を夢みて、この受賞を励みに活動を続けて参りたいと存じます。