受賞者紹介

平成21年度 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

よしはら かずこ

吉原 和子

(65歳/山口県熊毛郡)
吉原 和子
県内の老人クラブが不要紙を用いて封筒を作り、行政に寄贈していることを知り、昭和61年頃から視覚障害者である自分にも出来るのではないかと思い、下関市民からよせられたカレンダーを利用して封筒づくりを始めた。その後、福祉の「受け手」であった自分が、微力ではあるが「担い手」として貢献できるとして、社会福祉協議会や地域の工務店や商店などに20年以上にわたり毎年約2,000枚の封筒を贈り続けられている。
推薦者/社会福祉法人 平生町社会福祉協議会

受賞の言葉

私は、以前いくつかの表彰式典に出席させていただきましたが、いつも起立して来賓のお祝辞と一般参加者の拍手をいただくだけでしたし、配られた資料が読めないのでどこのどなたがどんな活動をなさっているのか分かりませんでした。 この度は司会者からご説明がありましたし、お一人お一人がご登壇なさったのでお祝いの拍手も送れましたし、私もいただけましたので“受賞者”という実感をより強く持つ事ができました。また写真撮影の時最前列でしたので常陸宮妃殿下のお言葉を賜るという光栄にもあずかりました。これを機に初心にかえって、より一層沢山の方に役立てていただけるよう努力したいと思います。

自宅での作業の様子

昭和の終わりごろまでは、点字書を作るのに費用と時間がかかっていたので、読みたい本がなかなか読めなかった。そこで、ひとりでも多くの方に一日も早く読みたい本と出会ってと考え、Aの図書館から借りて、Bの図書館に送ることにしたのだが、包み紙が手に入りにくくて困った。

ある日用事でみえた方に、その話をすると「うちの近くに梱包紙の切れ端が出るところがあるから、もらってきてあげましょう。」と言われ、しばらくして段ボールにいっぱいの紙が届いた。

その中には小さな紙が沢山混じっていた。いらなければ捨てても良いと言われたが、もったいないのでとっておいたら土井ヶ浜老人クラブの皆さんが、手作り封筒を役場にあげておられることを知り、良い事を知ったとうれしくなって早速封筒を作り、平生町社協にためしにお渡ししたら、「使いますから作ってください。」と言ってくださり、そのうちカレンダーの封筒も作らせてもらえるようになって20余年になる。

私としては、経費の節約と資源の再利用になればと思ってのことであったが、社会福祉協議会やご協力くださった方々のおかげで20年以上にわたり続けられていると思っている。この感激と、皆様への感謝の気持ちを忘れずに、残された時間を1枚でも多く封筒を作り、ひとりでも多くの方に使っていただけるように頑張りたいと思う。

(この文書は、吉原様が点字で書かれたものを、町内の点訳ボランティアグループ「てんとうむし」の方が訳されたものです。)

カレンダーからの封筒作り

Ms. Kazuko Yoshihara

(65 years old, Yamaguchi, Japan)
Ms. Yoshihara, though handicapped by limited sight, learning from a committee member of a neighborhood seniors’ club that they were making envelopes from recycled paper and donating them to the local social service center, thought that even she might be able to do something in spite of her handicap. During the more than twenty years that have since passed she has made more than 2,000 envelopes and donated them to the social welfare committee and local companies and shops.
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