社会貢献の功績
オーケーバジを支援する会
垣見さんは、昭和63年頃ヒマラヤのトレッキング旅行中に目にしたネパールの村々の現状や地元の青年との話がきっかけとなり、ネパールの人々のために役立つ生き方ができたらという思いが、活動のきっかけとなった。
またこの時、同地をトレッキング旅行中のその後「オーケーバジを支援する会」(「支援する会」)の会長となる富澤繁司さんとも出会った。
垣見さん(69歳)は平成5年から23年間務めた高校の英語教師を辞めて単身でネパールの寒村ドリマラ村に住み、山奥の村々を歩いて支援活動を始めた。これまでに学校建設、飲料水、つり橋、診療所など村人が本当に必要としているものを現地の人と一緒になって支援し続けている。垣見さんはリュックに、日本の心ある人たちの支援を背負って村々を歩いている。
行く先々の民家が事務所になり、村に水が欲しい、学校に机や椅子が欲しい、子どもが病気で病院で診てもらいたい、といった切実な願いを即断即決で叶え、神様のように慕われている。
9年には、村人たちの推薦によって、ネパール国王から勲章を授与された。また、16年には、村人たちが中心になって「OKバジ在ネパール10周年記念式典」が開かれ、1万人以上の人々が山奥の村々から何日も歩いてお祝いにかけつけたという。
垣見さんの活動を物心両面から支えているのが「支援する会」である。会長の富澤さん(83歳)は、ヒマラヤのトレッキング中に垣見さんと出会い、交流を続けていたが、垣見さんが教員生活を辞めてネパールへ移住し、本格的な支援活動をはじめてから、富澤さんが「オーケーバジを支援する会」を設立。垣見さんの活動を多くの人たちに紹介すると共に、資金を集めて送金を続けている。富澤さんの温厚な人柄と熱い思いに共感した人たちも進んで協力を申し出て、これまでに集まった支援金の総額は1,300万円を超え、会員も85名を超えている。
毎年6月、7月に垣見さんは日本に一時帰国し、全国を回って支援者への報告や講演を行っている。18年は群馬県みどり市の小学校で児童や保護者などを対象に講演会を実施した。講演を聴いた児童たちは、自分たちの幸せに気づき、自主的に1円募金を続け、昨年垣見さんに1年間ためた募金を直接手渡し、自分たちでも社会貢献、国際協力ができることを身近に感じた。
垣見さんの夢は、文盲率70%をこえる村の将来のために「いつでも誰でも使える図書館を作りたい」ということであった。20年はオーケーバジのネパール移住15年、「支援する会」発足15年の記念すべき年でもある。そこで今年は通常の資金集めのほかに、単独事業として図書館建設を計画し、150万円を目標に募金を始めた。富澤さんは「図書館の建設は今すぐ効果はないかもしれないが、将来必ず効果が出る」と募金活動を続けている。
受賞の言葉
友人の垣見一雅君がネパールの山村に移住し、恵まれない人々の支援活動を始めた。私は、気持はわかるがそこまでは出来ない。そこで、仲間と話し合って支援金のカンパを始めた。それから15年、今では現地の人々にオーケーバジと呼ばれ、尊敬されている彼とともに、受賞式に参列することが出来、素直に喜んでいます。