社会貢献の功績
赤木 勝幸
赤木さんのボランティア活動は、(財)オイスカ中部日本研修センターで海外の発展途上国から来た若い農業研修生の髪を切るボランティアから始まり、その後25年間に亘り続けている。
赤木さんは理容師としての12年間の修行の後、27歳で日進市に独立開業した。独立をきっかけに「地域に貢献できることは何だろう」と模索し、「加齢や障害により外出が困難な人への訪問理美容サービス」を思いつき、近隣の施設へ出向き、訪問理美容活動を始めた。
最初の何年かは、店の定休日に一人で回っていたが、スタッフも参加するようになり、施設からの様々な要望も出てきた為、訪問理美容部門を立ち上げた。現場のニーズに則した、質の高いサービスの提供のためには、「単に施設へ行って髪を切るだけではなく、介護の現場でのニーズに対応できるような専門的な教育を受けたスタッフを育成することが重要だ」と考え、医療・看護・介護の専門家と協力し、「福祉理美容」の養成プログラムを開発し、実施してきた。
活動を続けていくうちに、訪問先の施設や関係者からNPOにしたほうが活動の場が広がるのではとアドバイスを受け、訪問理美容活動のみならず、高齢者・障害者・介護関係者など皆が「楽しく」「楽」で、「美しく」過ごせるお手伝いをする「NPO全国福祉理美容師養成協会」を平成19年に設立し、理事長に就任した。
赤木さんは仕事の傍ら、老人ホームなど同市を中心に50を超える施設と契約(1人2,500円程度でカットを行なう)し、理美容の出張サービスを行なうとともに、施設でのレクリエーションの開催や、介護職員への腰に負担のかからないシャンプー講座、看護師とのエンゼルメイク(死化粧)の研究、また高齢者自身が積極的に参加できるようなセミナーも担当している。
一方では有資格者の再就職支援という観点からも、このような活動の中心として活躍できる人材の育成にも力を注いでいる。パートでも資格を生かして働く環境を作ることで、離職を余儀なくされていた主婦層などの理美容師が「訪問理美容師」としての第二の理美容師人生を歩むことができる仕組みである。
赤木さんはその仕組みを確立することが自分の使命だと感じ、ユニークなアイデアを次々と生みだし、企業や大学などとも連携し、「誰もがその人らしく美しく過ごすことができる社会の実現」を目指し活動を続けている。
受賞の言葉
栄えある社会貢献賞の授与に際し、皆様に心より感謝を申し上げます。社会貢献賞受賞を誇りに、理美容師として培ってきた技能と経験を活かし、「誰もがその人らしく美しく」過ごすことができる豊かな社会を目指して、医療・看護・介護など他業種の方々との連携を密に、生涯を通してコツコツと「私たちの出来ること」を探求していきたいと思っております。