社会貢献の功績
北條 友梨
北條さんは小学生の時に両親が相次いで亡くなり、弟さんと二人親戚の家を転々とした。苦しい生活の中で弟さんも自殺。一人残され親戚の手伝いなどで暮していた19歳の時、電車の中で隣の席にいた男の子に「僕達たちどこの学校?」と尋ねた。「僕たちは恵明だよ。お姉さん遊びに来てね」との返事がかえって来た。「解った」と答えたが、恵明が何処にある学校なのかも解らず、それから大変な思いをしてその学校が箱根にある児童福祉施設「箱根恵明学園」であることを知った。最初に行ったのは昭和29年、「お姉ちゃんまた来てね」の言葉に月に一度は必ず足を運ぶようになった。以来毎年5万円の寄付を継続し、それ以外に4~5人のアークのメンバーの美容師グループが、子どもたちへボランティアカットを毎月行い3年目になっている。
平成6年にカンボジアに行った友人から、学校に通えない沢山の子供たちがいることを聞き、学校を作ってあげたいと思った。自分の貯金を元に知人達に呼びかけ、集めたお金で翌年にプノンペン郊外へアーク・アンプノンペン小学校を完成させ、カンボジア教育庁が教員を派遣することになった。カンボジアを訪ね、素足で通学する生徒達の姿を目の当たりにし、「もっと多くの学校を建ててあげたい」とも思った。
平成6年11月、カンボジアの子供達への支援を広く呼びかけるため、世田谷にボランティア団体「アーク」を設立し、常駐スタッフを1人置きボランティアを募り、様々なイベントやチャリティーのなど催しを開いた。
現在のアークメンバーは約130人。会費や寄付で年に2~3百万円が集まるようになった。足りない分は自身が負担する。また現地での問題は、同地に10数年住む日本人に調整を依頼している。これまでに北條さんは、カンボジアで小学校6校、中高1校、内モンゴルに小学校1校の学校を建設している。
さらには学校建設だけにとどまらず、自らも合気道を40年以上続けている北條さんは、スポーツを通じて子供達に希望を与えたいと思い、カンボジアに現在までに合気道の道場を2つ、サッカー場を1つ造った。サッカー場は、かつて自衛隊が宿営地として使っていたタケオ州プレイカバス地区で、村人たちも日本に親しみがあり、アークメンバーらが生徒達にサッカーを指導したり親善試合を楽しんだ。
北條さんは「子どもたちの喜ぶ姿を見ると、感動してしまう。生涯続けていきたい」と活動を続けている。
受賞の言葉
この度はアーク青い地球の子供達へ栄えある立派な賞を賜り心よりお礼申し上げます。そして草の根的な小さな集りを認めて下さった社会貢献支援財団様に感謝申上げます。14年目に向うアークは世のため人のために惜しむ事なく貢献し世界平和を願い未来ある子供達のために本日の感動を忘れずつくして参りたいと存じます。ありがとうございました。