平成15年度 社会貢献者表彰
第二部門/多年にわたる功労
ぬまた ますみ
沼田 真澄
(昭17. 11. 9生 /神奈川県 藤沢市)
神奈川県藤沢市において、30年以上にわたり障害者・高齢者の外出時の無料送迎、つっぱり学生の世話、不登校児の学習施設や知的障害児の地域作業所の開設・運営など、つぎつぎと、ハンディのある人々の社会参加と問題解決に取り組まれている。
推薦者:宮地 英子
沼田さんは、 昭和45年、運転免許の取得をきっかけに「手足の会」を結成し、障害者・高齢者などの支援を始めた。通院、買い物などの外出時に車で「足」を提供するもので、30年間続けている。現メンバーは6人。全くの無料でガソリン代などの経費も受け取らないため、活動は市内に限っている。また、昭和60年、つっぱり学生11人を預かり「ゆう塾」を始めた。遊びや勉強の相手をし、大型バイクの免許も取り、死ぬ思いで彼らと徹底してつきあった。何度も裏切られ、近所からは文句を言われ、人生この時が一番大変でした、と沼田さんは言う。立ち直った彼等は今でも沼田家に子供や彼女を連れて訪ねてくる。平成3年、中学卒業生を中心に不登校児を集めて学習施設「学びや」をスタートさせ、高校の通信教育を受けるコースも内部に設けた。平成6年、進学も就職も出来ない子供や軽度の知的障害児を中心に、お菓子づくりを主体とした地域作業所「エール湘南」をオープンさせた。5年後、その運営を軌道に乗せ、代表を後任に譲って、現在は精神障害者の作業所「コーヒーすばる」を準備している。
沼田さんは自分のボランティアの原点は母親だという。我が子7人を育てながら里子を預かり育てた母の教えは、「自分より困った人を見たら手を貸す。奉仕しても報いを求めない」だった。
受賞の言葉
自分で出来ることを細々と当たり前のことをしていた30年、目を留めてくださる方があるのは、嬉しくありがたく思っております。私は名誉も地位も財産もないのですが、素晴らしい友人と仲の良い姉兄が私の宝物です。これからも、私を必要とする方々に誰にも負けない温かいハートを財産として、分けるお手伝いを続けたいと思います。