中村忠夫さんは、流山市の北にある新川郵便局の局長に昭和44年8月に就任し、以来、近くに設置された東京理科大学理工基礎工学部の学生、特に留学生たちから大きな信頼を得ている。同大学への留学生は年々増加しているが、中村さんは20年以上にわたって、留学生の日本滞在中の保証人になり、50名以上の面倒をみてきている。また、アパート探し、就学手続きや自宅を開放しての一時宿なども行った。面倒をみてもらった学生の帰国後の口コミにより、中村さんは、留学生の相談役のようになった。また短期の講師が中村さんの自宅に寄宿させてもらい、大学へ通うということもあった。

折々の季節には、ふるさと家庭料理のパーティーに留学生を招いて、留学生仲間が庭一杯に集い楽しい一時を過ごし、日本での良い思い出になると大変感謝されている。そこで結ばれたカップルも誕生し、結婚して帰国していった者もいる。

イギリス人留学生との会話の中で、家に招待しようかと伝えたところ、when?といきなり聞かれて思わずtonightと言ってしまい、何の用意もないまま、いつもどおりの家庭料理でもてなした。かえってそれが留学生に大変喜ばれ、普段着のつき合いが始まるきっかけとなったと中村さんは言う。保護司を平成9年から継続している中、新川郵便局長を13年6月30日付で退職したが、民生委員を依頼され12月から引き受けることとなっており、中村さんの活動は続く。