平成13年度 社会貢献者表彰
第一部門/緊急時の功績
やまぐち こうじ
山口 広史
(昭57. 8. 4生) 神奈川県小田原市
平成13年1月29日朝、JR東海道線鴨宮駅で通学途上の高校生が貧血のため意識を失い線路に転落した。電車進入を告げるアナウンスの中、同級生の山口さんは線路に下り、間一髪友人を救助した。
推薦者:社会貢献支援財団 事務局
救出された高校生と山口さんは、家も近所で幼馴染み、同じ高校に毎朝一緒に電車で通う仲だった。平成13年1月29日の朝も二人はJR二宮駅から東海道線下り電車に乗ったが、友人は「気分が悪い」と言い始め、午前8時10分頃「少し休む」と鴨宮駅で降り、心配した山口さんも後を追った。ふらふらとプラットホームを歩いた友人は、反対側の上り線路に頭から転落した。
ホームには上り電車の接近を告げるアナウンスが流れていたが、山口さんは「駅員を呼んで」などと叫びながら線路に飛び降り、うつぶせに倒れて顔から血を流し意識を失っている友人をホームに抱き上げようとした。しかしホームは110cmの高さで身長180cmの山口さんでも容易には上げられなかった。ホームには駅員は配置されておらず、近くにいた数人の乗客も力を貸そうとしなかった。何とか友人の上半身をホームに乗せると通りかかった女性客がようやく引っ張り上げてくれた。山口さんは友人の靴を拾いに再び線路に降り、ホームに戻った直後に上り電車が到着した。
友人は右頬を骨折していたが命に別状はなかった。山口さんは「心臓がどきどきしたが、友人を助けたい一心で無我夢中だった」と話している。