第一部門/緊急時の功績
SUNNY GREEN 乗組員
雄洋海運株式会社所属LPG船SUNNY GREEN(総トン数44,690トン、酒井菊穂船長以下 乗組員24名) は、平成11年12月3日インドネシア国ボンタン港で積み荷を終え日本へ向けて航行中、翌12月4日12時30分、北緯2度・東経121度付近のセレベス海で遭難船らしい木製ボートを発見した。
ただちに反転し確認に向かったところ、ボートには幼児を含む7名が乗船しており、救助を求めていることが確認されたので、13時、乗員総員で救助活動を開始した。救命索を発射機で遭難船に送って本船に引き寄せ、タラップを使い遭難者全員(女児4名、女性1名、男性2名)を本船に収容した。 緊急に医者の手当を要するほどの者はおらず、食事等を提供して体力の回復等を図った。
遭難者の救助報告及びその後の対応につき日本国海上保安庁、RCC Australia, MRCC Philippines, Port Authority Davao 等各国海上関係機関に連絡相談し、12月5日18時30分頃フィリピン国ダバオ港でコーストガードに引き渡して救助活動を終了し、本船は予定航海に復した。
遭難者からの事情聴取によると、 上記7名を乗せた木造貨物船 RANISA EXPRESS(総トン数4.35トン、長さ7.96m、幅2.42m)は、11月7日、マレーシア国センポーナ港からフィリピン国サンボアンガ港へ向けて出航したが、同日荒天のためエンジントラブルが発生し操縦不能となり漂流を始めた。
食料・水等は1週間分しか積んでいなかった。子供を優先して食料を摂らせたので、大人はかなり衰弱しており、本船に乗り移るときに介助を要した。
遭難者内訳
フィリピン人女児(4、6、9、11歳)
女性(59歳)
男性(19、40歳)
LPG船 SUNNY GREENが救助活動により予定外に費やした時間11時間、航海距離 167マイル
同海域でも海賊が頻繁に出没しており、乗組員は細心の注意を払って救助活動を行った。