第二部門/多年にわたる功労
岡崎 國夫
昭和36年12月下北半島中央部・陸奥湾内の川内港左岸導流堤灯台点灯と同時に灯火看守補助員となり、以来、同灯台を看守し航路標識事務所に連絡を取る活動を続けた。同灯台は、川内港に出入りする船舶と、周辺漁港を基地として航行し陸奥湾内の道しるべとして利用している約700隻の船舶、陸奥湾内を航行する各種船舶の重要な航路標識となっている。
また、同港は50年代に入って特に盛んになった、陸奥湾内ホタテ養殖漁業の拡大に伴い船舶の大型化、隻数の増加が進み、現在の在籍船は127隻を数える。
氏は昭和23年以来、川内町漁業協同組合に勤務していたが、多忙な業務に精励するとともに、陸奥湾内を航行する船舶と乗組員の安全を願い、家族の協力を得て夜間は同灯台灯火の看守、昼は灯台建物や送電線の状態把握に努めた。
積雪1.5mになる北国特有の秋から冬期の厳しい風雪、風速20mを超す台風並の激しい季節風、台風による悪天候時にも毎日毎夜、灯火監視のため自宅から灯台の見える場所に出向いて、灯台の状態を1日も欠かすことなく確認し続けた。
特に同港の港湾施設が整備されていなかった同50年以前は、冬期には波の飛沫が送電線に着氷して断線する事故が多発した。氏はその都度、航路標識事務所のアドバイスを受け、迅速な補修を行って消灯時間の短縮に努め、船舶の航行安全に寄与した。
また、積雪、台風や低気圧の接近時に事務所員が灯台見回りを行うときには、同地域の気象・海象に詳しい氏の助言が貴重な情報となり、灯台の保守管理時の安全確保と効率の良い保守作業の実施に寄与している。
氏が34年間見守り続けた同灯台は、平成7年11月21日に廃止されたが、同日付で点灯した陸奥川内港南防波堤灯台の看守補助員を続けることとなり、現在も責任感溢れる看守活動を継続している。