うじじきれい団
環境って何?鹿児島県沖永良部島に住む竿ファミリーは、ウジジ浜で朝食をとっているとき、長女りりさんが投げかけた作文のテーマを家族で考える中、両親が目の前にある大量の漂流ゴミも環境問題だと伝えた。そこから毎朝、登校前に家族6人全員車で海岸に向かい、365日雨が降る日と寝坊した日以外、漂流ゴミの清掃を続けている。拾ったゴミを処理することはどの島にも共通する負担の大きい問題で、ゴミ袋は一枚108円と高く、月額2~3千円の経費は最初1年間子どもたちのお小遣いから支払われた。子どもたちが中心のうじじきれい団は定期的に会議を開き、今後の方針についての話し合いを行う。拾い集めたゴミはペットボトルのバーコードから生産国を割り出し、ゴミを分別し統計を録ったり、漁具を綺麗にして漁師に買ってもらうなど、知恵を絞り、やがて日本のみならずフランスのメディアにも注目され、協賛する企業やサポーターも増え、講演の依頼が来るようになった。活動はマイクロプラスチックの危険性や、海洋生物や人体に与える影響についての問題提起にも及んでいる。
小さな島の小さな活動にスポットライトを当てて頂き、心よりお礼申し上げます。お声がけ頂いた時に何よりも嬉しかったことは、小さな活動を見つけ、見守ってくれる素敵な方々の存在を知れ、実際に出会えたことでした。未来が希望の光で照らされた気分で、心が躍りだしたのを今でも鮮明に覚えています。
日本中のヒーローにお会いできた式典への参加、今まで見た中で一番大きくて立派な賞状、心のこもったおもてなしの数々、活動紹介の素敵なVTR、どれも私たち家族の大切な思い出になりました。
私たち家族は約5年間ほぼ毎日(雨や寝坊、用事の日以外)近所の浜辺で漂着ゴミを拾っています。キッカケは、2017年の夏休み作文コンクール「環境問題」を考えるためでした。
当時のうじじ浜は、毎日大量に流れ着く「漂着ゴミ」で厚く埋め尽くされていて、ヤドカリはボロボロになった容器の蓋を背負っていました。
活動方針は、当時から子供達が自主的に話し合いながら、なんでも決めました。
ゴミの処理費用やゴミ袋代も子供達がお小遣いから捻出します。「大人に頼らずに自分達でどこまで出来るかチャレンジしたい」と言う理由からです。
活動を始めた頃は、「ゴミを無くすこと」が目的でしたが、今は「海の命を守ること」が目的に変わっています。
漂着ゴミの多くは外国語の文字です。自由研究で、ゴミについているバーコードを調査分析し、「黒潮」に乗ってアジアの様々な国から流れ着いていることが判りました。季節によって海流が変わり流れ着く場所が変わることも、継続していくうちに解りました。
地球温暖化が起因する、自然災害、洪水などによる『災害ゴミ』の増加も漂着ゴミから解ります。
私たちは、プラスチックが悪者だと思いたくありません。離島に住む私達は、軽くて丈夫で衛生的な、プラスチックの恩恵を受けながら暮らしています。プラスチックが無ければ生きていけないと言っても過言ではないでしょう。
漂着しているプラスチックを「もう一度、役に立つものに生まれ変わらせたい」と思い、集めたマイクロプラスチックを瓶詰めにした学校教材をつくりました。「海の豊かさを守るマイクロプラスチック・キット」です。
マイクロプラスチックを使用し製作した『キャンバスアート』や、漂着漁具を使用し製作した『ウォールアート』も好評です。
小さな島の小さな浜辺で始めた活動は、島内外の友達(大人や子供達)と楽しみながら、共有、協力して行くうちに、黒潮のように大きな潮流となりました。
今後も、「大人の価値観やものさし」の押し付けにないように気をつけながら、子供たちの意志を尊重し、支えてくださっている方々への感謝の気持ちを大切に、直ぐそばでそっとずっと活動を見守って行きたいと思います。