認定NPO法人 コミュニティリーダーひゅーるぽん
発達障害や不登校の子ども、未就学の2歳半から18歳までが遊びや勉強、自立訓練を行う児童発達支援センターと、障がいのある大人の人たちの働く場、コミュニティほっとスペースぽんぽんを運営する。生まれて間もなく、障がいと診断された子どもを持つ親御さんは、これからの子どもの将来、学校、対応等大きな不安を持つ中、多くの専門家やスタッフが、親身に相談にのり、施設では遊びや学習を通して子どもたちに社会性を身につけさせ、集団での生活が出来るように練習する。静かな住宅地にある施設で、子どもも親も安心して通える場所として、家庭と学校以外のもう一つの成長の場となっている。お昼も提供される為、嫌いな食べ物を克服することも可能になる。また、引きこもりや不登校の子ども一人一人に向き合い、それぞれのペースで勉強と社会生活を学ぶ場となっている。団体名であるひゅーるぽんは、レクリエーションソングとして有名な歌で、子どもたちが大好きなことからこの名前が付けられた。
国際障害者年と言われる1981年、私たちの団体は活動を開始しました。当時やっと就学が保障された障がいのある子どもたち。しかし、遠くの特別支援学校に通うことがほとんどだったため、長期休暇中、放課後の過ごし方は保護者にとって大きな悩みの種でした。「ならば、自分たちで学校のような楽しい場を作ろう」と子どもたちのお父さん、お母さん、社会福祉協議会など地域の多くの人が立ち上がりました。週3回開かれる「夏休み学級」と名付けられた手づくりのにぎやかで楽しさに満ちた空間。その場にボランティアとして参加した当時大学生、高校生だった私たちは、夏の終わりに「ひゅーるぽん」を結成したのです。以降、私たちは、子どもたちとの活動を通して、多くの地域の方々と出会い、そこで多くの影響や学びをいただきながら成長してきました。「子どもたち、地域を思い活動を続ければ、10年、20年先この地域はもっともっと素敵な地域になる」という民生委員さんたちから学んだ思いは、今でも私たちの活動を支える力になっています。
1990年代になると、発達のつまずきや不登校など、多様な生きにくさを抱える子どもたちと出会いました。「学校でも家庭でもない子どもたちが生き生きと育つ場を作ろう」そんな思いから、国際ボランティア年の2001年、私たちはひゅーるぽんをNPO法人化し、常設の「コミュニティほっとスペース」を立ち上げました。
そして、2013年。市営の「こども療育センター」は「親子で通うこと」が原則であるため、子どもを通わせることができないというシングルマザーの声が私たちを動かしました。「ならば民間で!」という思いが多くの方々のお力添えを生み、国内初のNPO法人による児童福祉施設「児童発達支援センター」の立ち上げにつながりました。
認定NPO法人となった今、ひゅーるぽんには、毎日多くの子どもたちがやってきてにぎやかに過ごしています。アート活動を行う隣の成人施設からは、心地よい絵の具を溶く音が聞こえてきます。そして、年間400人を超えるボランティアさんがやってきてくださいます。この中で生まれる出会いが、相互の成長をはぐくみ、そしてさらには、障がい者のアートを使ったまちづくりや平和活動、災害時のボランティアセンターの運営など様々な活動に繋がっていきます。多くの人と出会いがつながりと学び合いを生み、社会に幸せを創っていくあゆみにつながります。
今回、昭和53年の表彰者の中に、「光田きよし」さんのお名前を見つけました。全国民生委員児童委員協議会の会長をも務められたこの光田さんこそ、1981年の出会の時から、私たちに地域の大切さや団体としての進むべき道を教えてくだり、活動の原点となる心を育んでくださった方です。今は亡き光田さんと同じ表彰をいただきましたことは私たちにとって栄誉の極みであり、最大の励みでもあります。
「この子らと世に光を」
私たちは、子どもたち、地域、多くの人たちとともに、幸せあふれる未来を創るために、まっすぐ、しなやかに前進をしてまいりたいと思います。
理事長 川口 隆司