NPO法人 やどかりサポート鹿児島
障害・生活困窮・高齢・DV被害・ひとり親・児童養護施設等の退所者等、様々な事情で連帯保証人を立てられず賃貸住宅に入居ができない人々に対して、「地域ふくし連帯保証」という、医療・福祉といった支援機関と連携して、包括的にサポートする活動を行うNPO団体として2007年に設立。社会的に孤立しがちな人に、社会的なつながり、参加、役割をもっていきいきと生活できるよう支援する事業を行っている。利用者は精神・知的・身体障がい者・元ホームレス生活者・刑余者やDV被害者等幅広く、これまでに利用した人数は370名を超え、地域生活の実現を支援してきた。
これまで入院だけが選択肢だった精神障害者も、支援者のサポートにより自立が可能となり、鹿児島県の精神科医療の進展にも寄与している。提供すべきは、連帯保証だけではなく「つながり」であり、社会的な孤立を防ぐことを第一の目的に、包括的なサポートを行っている。
この度は第55回社会貢献者表彰式に出席できず申し訳ありませんでした。
コロナウィルスによる影響が日本各地で拡大している今、その影響は鹿児島でも顕著に表れております。
一日でも早くこの事態が終息することを願ってやみません。
さて、今回は、我々が住宅確保要配慮者に対して連帯保証を行っている事業を高く評価いただき誠にありがとうございます。会員・職員ともにみな受賞を大変喜んでおります。
2007年より、身寄りのない方、ホームレス、障がい者、刑余者など、連帯保証人が確保できないがために住居の確保に困っている方の連帯保証人となり、だれもが普通に社会参加できる地域を目指して進んでまいりました。このように住居に困っている方は年々増えており、今年は4月から10月までの間ですでに200件以上の相談を受けております。
13年間の活動を通して、周囲の方々の理解を得ることの大変さもありましたが、何よりも私たちにとって衝撃的だったのは、当事者の方はただ住居を得るだけで満足した生活が送れるわけではないということでした。
ホームレスだった方を連帯保証し、住居確保のお手伝いをしたことがありました。数か月後、その方と話すと、「ホームレスをしていた時の方が寂しくなかった」と言われたのです。暑さ寒さをしのぐ部屋と食べることに困らないだけでは、人は安心して生活できるわけではなかったのです。
当事者が安心して暮らすためには、部屋があるだけでなく、ひとりきりにならないことが重要です。私たちは、当事者の方をひとりきりにしないために、支援者の方に見守りをお願いしています。支援者というと、何か特別なことをしなくてはいけないように思いますが、私たちが支援者に求めているのは、「何か困ったことはない?」「ちゃんと食べてる?」など、身近な頼れる隣人として,家族や友人のようにコミュニ―ケーションを取ることです。
支援者と連携を取り、当事者が必要とするサポートを提供することが、今後も我々の使命だと思っております。さらに、この活動を鹿児島県全体に広めようと、行政や社会福祉法人などとの連携も増やしています。
今後も、身寄りがなく住居の確保に困る方はどんどん増えていくものと思われます。我々はこれからも、そういった方々に寄り添った支援を続けてまいります。
この度は我々の活動を評価いただき、誠にありがとうございました。
特定非営利活動法人やどかりサポート鹿児島
理事長 芝田 淳