NPO法人 松本ヒマラヤ友好会
1989年に松本市とネパールの首都カトマンズ市が、相互に共通する「山と美しい自然」を仲立ちとして、姉妹都市提携をした。ネパールは北海道の約1.8倍の広さ、人口約2,900万人、カトマンズ市の人口は約150万人程である。同国のほぼ中央に位置するカトマンズ市は、北方にヒマラヤ山脈、松本市も西方に北アルプスが聳え連なり、地形上、白銀の山々に囲まれている盆地という共通点を持つ「岳都」である。当時任意団体の松本ヒマラヤ友好会は、設立当初から市民交流推進の一役を担い、姉妹都市カトマンズの理解を深める活動、公園、写真展、街づくり研究を行い、またヒマラヤ高所登山経験を活かした山岳スポーツ振興を図る登山講習、そして国際協力事業を推進し、NPO法人松本ヒマラヤ友好会(略称MHC)と認定された。任意団体当時の1996年から、ヒマラヤ登山に命懸けで活躍するシェルパ族の子弟で、カトマンズの短期大学に通学する勤勉学生に奨学金を支給。彼らは卒業後、村に帰還し責任ある活動をしている。また、現地と連携し、遠隔地学生のための学生寮を建設(2002年7月完成。日本の外務省から草の根無償資金援助を受ける)するとともに、カトマンズではネパール政府公認のMHCネパール支部を新たに設立し連携。震災復興の為、カトマンズでの献血活動、公立学校の文具支援、親を亡くした学生への奨学金支給、カトマンズの東西を流れるガンジス川源流となる河川清掃事業などの支援を続けている。
NPO法人松本ヒマラヤ友好会(MHC)は、松本市周辺のネパール文化や登山に思いを寄せる市民の人たちが集まり、1990年4月に任意団体として創立。
松本市は、先立つ1989年11月ネパールの首都カトマンズ市と「山と美しい自然」を仲立ちとして姉妹都市提携を結び、1990年4月、松本市は、官民一体となった交流を進めるべく松本市カトマンズ市姉妹提携委員会を設立。松本ヒマラヤ友好会は任意団体でしたが、提携委員会設立当初から、その役員に推薦され市民交流推進の一責任を担って参りました。
松本ヒマラヤ友好会は、松本市民に姉妹都市カトマンズの理解を深めてもらうため、世界的歴史遺産などの文化・芸術紹介のTV制作や講演、写真展などを開催。現地訪問ツアーによる市民交流、また長野県の美しい山岳での登山講習を行い、ヒマラヤを控える岳都カトマンズとの山岳スポーツの振興を図る活動等も、積極的に実施、そして、ネパール及びカトマンズとの国際協力事業として、震災復興のための、献血活動、公立学校への文具支給や両親を亡くした生徒たちへの奨学金支給活動などを、ネパール・カトマンズ市民の構成による松本ヒマラヤ友好会のネパール支部を通じ、カトマンズ市役所の理解と協力を得て、行って参りました。
また、1953年世界最高峰エベレストにイギリス登山隊の隊員エドモンドヒラリー卿(2008年ご逝去)が初登頂後、彼は、周辺を巡り、ヒマラヤ山麓に住むシェルパ族の村々に、青少年教育のための学校と村民の医療施設がないことを憂慮し、シェルパの村クムジュンに学校を1961年開校。その後ヒマラヤン財団を設立し、様々な事業を手掛け、60以上の学校新設、道路整備、橋梁設置、クムジュンの隣村クンデに、医者が常駐する診療所を開設など、ネパール・クーンブ地域に様々な変化をもたらしました。
MHCは、2000年NPO法人として認可され。MHC国際協力事業基金を設立し、そのクムジュン校運営委員会と連携し、遠隔地からの学生の為の学生寮建設(2002年7月完成。日本外務省から草の根無償資金援助を受ける。現在24名が入寮)、その後のライフライン(水・電気)の維持費を支援。卒業後は、カトマンズの短期大学へ進学した学生へ、MHC奨学基金の設立とその支給(MHCの国内外の各事業の活動から)などを行い、2021年度現在、MHC奨学生は25期生、このコロナ禍、逆境にも負けず、卒業生含め累計116名を数えます。
MHC奨学生は、卒業後村に帰還し、教師、ロッヂ経営、行政官など責任ある活動をしていると聞いています。中には、ネパール医科大学に進み、インターンシップを経て医師資格に合格した奨学生もおり。この基金がシェルパ族の人々の生活向上と社会的地位向上に役立っていることを。関係者うれしく思っています。
エベレスト街道を歩いて、彼らに出会うことがあれば、激励の言葉をかけてあげてください。
公益財団法人社会貢献財団の皆様には、これらの事業活動を、ご理解いただき、受賞の運びとなったことに、大変うれしく、感謝申し上げる次第です。
理事長 鈴木 雅則