おばあちゃんのパソコン教室 このゆびとまれ
埼玉県新座市の公民館で20年にわたり続けられている高齢女性たちが主体のパソコン教室。市内の大学が開講するシニア向けのパソコン教室は受講希望者が多く、なかなか受講することができなかった高齢女性たちが大学教授や学生の助けを借りて2000年に開講した。「のんびり、やさしく、楽しく、行きつ戻りつ学ぶ」がモットーの教室では専門用語は殆ど使われない。最大の特徴は教わりながら、教える技術も身に付け、パソコン学習ボランティアになることを目指すところ。毎月2回、第2・4火曜日に開かれる教室では、学習してきた人が順番に講師となり、自ら用意したテキストを使って、ワープロソフトや表計算ソフトの使い方を教える。わからなければ直ぐに隣に座った人同士も教え合って、図形描画でブックカバーや年賀状のイラストを描いたり、表を作って計算式を用い、医療費計算や覚え書きを作ったりできるようになる。身に付けた技術で、市内の認知症予防グループのパソコンボランティアとして活躍する人もおり、今後の教室の更なる発展が期待される。
今回は、思いもかけない素晴らしい賞を頂戴しまして、グループ一同、喜びとともに驚いております。私たちのグループは、1998年に十文字学園女子大学において実施されたシニアのためのコンピュータ教室が発端です。そこでコンピュータの学習を継続したいと考えた新座市民と十文字学園女子大学の教員とたった3人で2000年に立ち上げ、新座市の公民館で細々と続けてきたものです。まさか、20年以上継続できるとは夢にも思っていませんでした。「のんびり、やさしく、楽しく、行きつ戻りつ学ぶ」をスローガンに継続してきました。開始当時は、コンピュータの学習と認知症予防が結びつくとは考えもしませんでした。もちろん、高齢者自身が別の公民館へ出向いてコンピュータを教えるといったことも考えもしませんでした。私たちの継続している活動は、日常生活の一部であり、火曜日の午前中になると当たり前のように徒歩で、自転車に乗って公民館へ行く。1年のなかで、4月から3月までの活動がルーチン化されています。4月になると新しい会員が入り、コンピュータの電源を探す学習から開始する。3月には総まとめをして、来年は自分が教える講師の立場に立つのかなと考える。既に生活の一部であり、受賞に値するようなすごいことをしているといった気持ちはございません。自分たちの生活の一部であり、それを楽しんでいるとうことです。20年の間にメンバーは入れ替わりもありましたが、変わらず20年継続しているメンバーもいます。毎年4月、コンピュータの電源を探すところから開始します。ベテランのメンバーが隣に座り、丁寧に丁寧に教えます。そして、何年かすると教える立場に立つというわけです。自分たちでは取り立てて優れたことをしているという実感はないのです。ただ一つ大切にしてきたことはスローガン「のんびり、やさしく、楽しく、行きつ戻りつ学ぶ」だけです。それは20年変わりません。現在は、コロナのために活動は休止状態ですが、状況を見ながら活動を今後どのように展開するか、集まれないながらもコミュニケーションはとっています。活動が継続してこれたのは、新座市、公民館、十文字学園女子大学等のさまざまな支援があったことはもちろんのことです。お礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。最後になりますが、貴財団に対してお礼を申し上げるとともに、貴財団のご発展をお祈りしております。
顧問並びに立ち上げた者の一人 角田 真二 つのだしんじ