細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会
代表を務める田中美紀さんは、自身のご子息が生後5か月で細菌性髄膜炎に感染し、肢体・知的障がいとなったことから、その原因を調べていく中で、予防接種を受けていればこの病気にはかからなかったこと、そして欧米では既に定期摂取の対象だが、日本では承認されていないことを知った。防げる病気ならば、これ以上患者を増やしてほしくないと、小児科医ら医療従事者と共に、署名運動を行い訴え続けた結果、2008年にヒブワクチン、2010年に肺炎球菌ワクチンが発売、公費助成がなされ、2013年4月からついに定期摂取化が実現した。
しかし現在も、これらの菌以外の髄膜炎は海外では珍しくない事から、それらの予防接種への普及活動に尽力している。また、髄膜炎で子どもを亡くされた家族や後遺症を抱える方の支援を行っている。
細菌性髄膜炎という感染症をご存知ですか?
小児科医の間では乳幼児がかかる最も恐ろしい感染症と言われています。
脳を覆う髄膜に細菌が入りこみ炎症を引き起こします、感染すると多くが重症化し、生死をさまよい、治療が遅れれば死亡、助かっても4人に1人に後遺症が遺ってしまうそんな感染症です。
私の息子は2003年12月生まれ、元気いっぱいにこの世に生を受けました。
しかし、生後5ヶ月に時、突然の発熱から“細菌性髄膜炎”と診断されました。肺炎球菌が原因でした。
聞いたこともない病名『力は尽くしますが元通りに返せるかどうかはわかりません』担当医の言葉でようやく我が子の深刻な状況を理解するのがやっとという有様、息子はいのちを取り留めましたが、その現実は非常に厳しく…遺るかもしれないといわれている代表的な後遺症のすべてが息子を襲いました。
水頭症で脳室拡大、脳を萎縮し、てんかん、難聴、体幹機能は失われ座ることも立つことも叶いません。
そんな息子とたくさんのハンディは抱えますが『前向いて生きていいこう!!』そんな風に思えるようになった2006年のある日、偶然目にした新聞記事に“細菌性髄膜炎はワクチンで防げる”と書いてありました。
しかも、先進国で承認使用されていないのは日本だけ・・
世界ではすでに過去の病気となりつつあると書いてありました。
その一方、日本では防ぐことが出来るワクチンの存在も、細菌性髄膜炎という怖い病気があることすら私たちには届いてはいなかったのです。
世界中で当然のように使われているワクチンがあるのに、子どもたちが守られていない今の日本!!この現状は絶対おかしい!!なんとかしたい!!賛同してくださる皆様のお力を結集したい!!
この気持ちが、患者家族会の発足の大きな要因となり、この日から会のメンバーや賛同してくださる全国の小児科医をはじめとする様々なお立場の皆様と、ワクチンの導入と定期接種化を求めてきました。
知恵と力を振り絞り、街頭署名を行ったり、ワクチンデモ街頭宣伝メディアへの情報提供や出演などを通じて広く国民の皆様に知ってもらう啓発活動を重ねてきました。
私たちの集めた署名はのべ20万筆となり!署名提出は計4回 行いました。
副大臣・大臣との面談やその他要望書の提出は計6回にのぼりました。
わたしたち当事者家族会は細菌性髄膜炎のことをワクチンで細菌性髄膜炎を防ぐ重要性をこれからも仲間たちとともに伝えていきます。
代表 田中 美紀