NPO法人 ギャンブル依存ファミリーセンター ホープヒル
ギャンブル依存症は「意志の力を働かせることができなくなっている病気」であり、アメリカの精神医学会などでは病的賭博という進行性の病気である。診断基準は、「借金をしてまでギャンブルをしたりすることで自身を苦しめたり、家族など周りの人を苦しめること」。町田政明さんは、2000年に横浜で嗜癖問題相談室を開設したが、ギャンブルで困った家族の相談が多く、全国から相談者が来るようになったので、2005年「ギャンブル依存症ファミリーセンターホープヒル」を設立。2年後には、依存症本人の回復施設「ハウスホープヒル」の運営もはじめる。
他にアルコール、薬物、ゲームなどのアディクション問題の相談にものる。相談者自身が「回復する力」を持っているとの気づきが大切。自助グループへの参加やデイケア施設の利用、必要に応じて医療機関と連携して回復の手助けをしている。①社会にギャンブル依存症の正しい知識と情報を広める。②家族が本人に正しい対応ができるようにする。③本人が依存症から回復できるように手助けする。④家族がそれぞれ自分らしく生きくことができるようにする。これらを目標に活動している。
この度は、第54回社会貢献者表彰をいただき驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。2000年に横浜嗜癖問題相談室ホープヒルを立ち上げて、その当時はギャンブル問題の相談を受け入れてくれる所がないと、多くの家族が困って全国から相談が来ました。それならとギャンブルの相談に特化して、2005年にギャンブル依存ファミリーセンターホープヒルとして多くの家族の相談に乗り、2010年にNPO法人化しました。横浜嗜癖問題相談室から20年、NPO法人化して10年の節目にこのような賞をいただき、私たちの活動が間違っていなかったことを確認することができ、今後の励みになりました。
依存症は否認の病気と言われて、なかなか依存症本人は病気を受け入れられません。その周りで多くの家族が巻き込まれて、経済的精神的に苦しみます。依存症は助けるとどんどん依存するので、本人の問題と責任を肩代わりしてはいけませんが、家族はそれと知らずに病気の手助けをしてしまいます。ですから、家族がこの病気を理解して正しい対応をすることが大事であり、ホープヒルでは、家族に病気を知ってもらい家族が正しい対応をしてもらうことを目的としております。
家族が正しい対応をすることにより、依存症本人が治療の場に登場することになり、家族のニーズに答えて、2007年に依存症本人の回復施設を併設するようになりました。家族も依存症本人もどちらも最終的には笑って暮らせるようなることを目的としております。
家族には、個別相談や家族教室、セミナー、講演、書籍の出版などを行い、家族の相談教育そして家族自身が生き生きと生きていけるように支援しております。依存症本人には、回復施設でグループセラピーを中心にものの考え方、生き方を幼いころから振り返り、新しいギャンブルのない生き方をできるように支援しております。グループセラピー以外に運動、音楽療法、裁判所傍聴など社会見学、キャンプなどの野外活動を実施して全人的回復を目指しております。
今回の受賞を力に今後も地道に家族と依存症本人を支援していきたいと思います。また、社会にギャンブル依存症という病気を啓発して多くの人が早く支援につながるよう活動していきたいと思います。
代表 町田 政明