NPO法人 西成チャイルド・ケア・センター
大阪市西成区で2012年から子ども食堂を運営し、貧困・ネグレクト・不登校、果ては役所も居場所を特定できない未就学の子ども、精神疾患や貧困の大人に週3回の食事を、団地の1階でボランティアと共に、居場所づくりと家庭の雰囲気を味わう場、そして社会性を育てる場を提供している。また子どもたちだけではなく、親や家庭とのつながりも持ちながら、彼らの抱える問題の背景(本質)を理解して地域の人々と一緒に伴走支援することを大切にしている。
昨年1年間で小学生4800人、中学生960人、成人1440人の延べ7200人が利用し、ボランティア1200人、スタッフ480人の延べ1680人により運営。食事を提供するのは、つながりの手段でもあり、関わり合いの中で見えてくる子どもや家族の困りごとを、日常の関りの中で発見する仕組みを作ると同時に、子どもや親のやりたいこと、やってみたいことを応援している。食事の提供以外でも、こどもを郊外に連れていく自然体験・農業体験、キャンプや、ボランティアの大学生による学習支援などを行っている。
この度の第54回社会貢献者表彰に選んでいただいたこと、地道な活動に光を当てていただいたことに深く御礼を申し上げます。受賞に際しましてはコロナ禍において感染予防を徹底し様々なご苦労があったと思いますが、受賞者を一番に考えていただき、授賞式・祝賀会を開催していただけたこと、会長よりの祝詞の中で「にしなり☆こども食堂」の活動にもふれていただき、お祝をいただけたこと厚くお礼を申し上げます。
私たちの目の前には、さまざまな環境で今を生きるこどもや親がいます。親はこどもをしっかりと育てるのが当たり前。こどもたちには生まれた環境を自分の努力で変えていくことを求める社会の中で、何ができるのかをいつも自問自答しながら活動を続けています。
先日テレビの取材の時、年中の時より関わり小学校1~2年では荒れて手が付けられない中学生がインタビューで「川辺さんに出会えてなかったら、今でも俺は暴れていたと思う」と答えていたと聞き、普段ぶっきらぼうにふるまっていても、つながりを続けていく中で伝わることがあるのだと思い、これからもこどもの育ちに、たくさんの人がゆるやかに関わる中で、自信をつけ自分を取り戻していけるように。安全な場所を増やすために、『かわいそう』で片付けることのない社会、こどもたちや親の「今」を一緒に育てていける社会、そのための居場所「にしなり★つながりの家」の建設に向けて現在奮闘中です。
今回いただいた賞に負けない活動をこれからも続けていきます。
最後になりましたが、今後ともみなさま応援どうぞよろしくお願いします。
代表理事 川辺 康子