受賞者紹介

第54回 社会貢献者表彰
しゃかいふくしほうじん ののはながくえん

社会福祉法人 野の花学園

(福岡県)
社会福祉法人 野の花学園 第一野の花学園 施設長 安元 照貴
第一野の花学園
施設長 安元 照貴

障害の子を持つ5人の母親は、親亡き後の心配から、昭和34年野の花学園を設立した。資金作りに、タオルや石鹸、靴下をリヤカーに積み行商して回った。この5人の母親の活動がNHKから「5つの灯」と題して全国放映され、日本の障がい者福祉の実態が初めて世に知らされた。全国から激励と感動の寄附が寄せられた。当時一世を風靡した俳優伴淳三郎(故人)、森繁久彌(故人)、昭和を代表する写真家秋山庄太郎(故人)をはじめ地元福岡のロータリークラブなどの慈善団体へ支援の輪は広がり昭和40年社会福祉法人に認可され新生野の花学園が誕生した。
創立から60年間、5人の母親が望んだ「多くの不幸な子どもを受け入れたい」とする思いは今なお引き継がれ、現在では25か所の施設等を運営し利用者は1,100名を超えている。規模と実績は目覚ましい発展を遂げているが真に問われるのは支援力と経営力にある。国県市の指定管理者事業7か所と5件の委託事業に選定されていることは支援力と経営力に高い評価が与えられた証左である。福田量理事長以下約400名の職員が「ずっともっと福祉に」をモットーにこれまでも今後も障がい者支援に適進する姿勢は大いに称賛されるものである。

推薦者:社会福祉法人 福岡市社会福祉協議会

第54回社会貢献者表彰に受賞、そして盛大な表彰式を催していただき、加えて会長からの温かいお言葉を賜りまして、心より感謝存じます。
今回の受賞、そして表彰式に参加して、法人勤務20年を迎えた私にとってあらためて、法人創立60年の思いの歴史である「障がい者の豊かな生活の場を求めて」を切り開いていった5人の母親、先人の諸先輩の意思を引き継いで、挑戦していかなければいけないと確信しました。
野の花学園は5人の母親の思い「豊かな生活の場」を求めて60年間、障がいのある方の福祉のために活動してきました。
最初に第一野の花学園が開設し、「障がいのある方の共に働き、共に暮らす施設」が開設し「豊かな生活の場」ができました。
さらに、施設ではなく地域で暮らす動きとしてグループホームが開設し、「働く・暮らす」が創立50年の半世紀には実現されていました。
創立50年から今回の創立60年の10年間は次の「豊かな生活の場」を求めていくための準備期間でした。
50年間は、主に若い年齢の知的の障がいのある方の生活を支えてきましたが、利用者の高齢化、障がいの特性が多様化し、今までのできていた作業ができなくなり、さらに同じ部屋・空間で生活することが難しくなってきました。
「共に」から「個性の尊重」に変化しなければとなったのだと職員は感じていたのです。
そして平成28年から検討重ね、「利用者の高齢化・障がいの多様化」の対応ができる、障がい者支援施設では少ない「ユニットケア方式」での建替えをおこない60周年である令和2年に完成しました。
利用者はお部屋(6ユニット)で非常に落ち着いて生活されているのを感じると、「豊かな生活の場」が提供できていることに職員としても安心しています。

最後に、受賞者39団体の取り組みを知ることができたことは、法人にとっても大変有意義な場になりました。

世界で、日本で、または地域で手が届いていない生きづらさを感じている方がたくさんいることを再認識させていただきました。
このことを法人職員に私が伝え、野の花学園の理念である「豊かな生活の場」「ずっと・もっと・福祉に」を求めて取り組んでいきたいと思います。

第一野の花学園 施設長 安元 照貴

  • 知人の家を借りて青空教室
    知人の家を借りて青空教室
  • 野の花学園 開設当時
    野の花学園 開設当時
  • レンガ作り
    レンガ作り
  • 昭和40年 社会福祉法人へ
    昭和40年 社会福祉法人へ
  • 職員一同
    職員一同
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」