NPO法人 バリアフリーネットワーク会議
健常者、障がい者を区別することなく誰もが自分のやりたいことに積極的に挑戦し、社会参加できる“真のバリアフリー社会”の実現を目指して介助や補助を包括的に支援する事業を行っている。
福祉施設を運営する一方、そこに通う障がいを持つ子どもたちや家族が外で活動するための問題解決のため、「障がい者・高齢者観光案内所(那覇空港)」を開設し、バリアフリー観光に関する情報提供や、県内商業施設の障がい者のための設備情報を紹介するフリーペーパーも発行している。こうした印刷物やHP、広告、お土産物なども子どもたちが作業所で得意分野ごとに役割担当し制作していて、子どもたちの収入や自信にもつながっている。また観光都市沖縄県の障がい者や外国人のためのハザードマップの情報収集やマップデザインに至るまで全て施設に通う子どもたちがそれぞれの能力を発揮し制作している。
近年は、災害時の障がい者の安全確保のために、バス乗車中、陸上競技場、ホテルなどで、災害が発生した場合や混雑状況、障がいの種類、誘導の有無、昼夜の違いなど、あらゆる場面を想定した避難の実証実験を行い、避難完了までの所要時間や問題点、最も適した避難経路、必要な対応などの洗い出しを行い、報告書にまとめて関係各所へ配布している。こうした「逃げるためのバリアフリー」の取り組みに今後も力を入れていく。
この度は、このような栄誉ある賞を頂き誠にありがとうございます。法人を支えてくれた職員一同、また法人の活動を応援して下さった皆様と喜びを分かち合いたいと思います。
私達の法人には、障がい児・者を支援する福祉施設を運営する福祉部門と、障がい者や高齢者等の観光を支援するための「案内所」を運営する観光部門とがあります。これまで表彰されることは、多々ありましたが、それらは主に観光部門の先進的な試みにだけ光が当てられていました。法人全体の活動が一体となり表彰されたのは、これが初めてであるかと思います。
福祉部門では、児童デイサービス、就労支援B型事業所、生活介護事業所といった障がい児・者を支援する福祉施設を運営しております。児童デイでは、「遊び」を重視し、「遊び」の中で、様々な学びの機会をもってもらえるようなプログラムを考えています。とはいえ、一人一人異なる子どもたちの成長の中で、子どもたちだけでなく、私達が学んでいることに気付かされます。
児童デイを運営していくなかで、数年経過すると、巣立っていく子どもたちがでてきます。大学へ進学したり、パラスポーツに目覚めたり、きちんと居場所が確保される子どもたちがいる一方で、一般就労が難しい子もいます。福祉的就労を希望する子たちの受け皿として、就労支援B型事業所を立ち上げました。B型事業所では、助成金を活用しながら、福祉ビジネスモデルの構想を広げていっています。加えて、福祉的就労も難しい子どもたちの受け皿として、生活介護事業所を立ち上げました。そこでは、ただ隣にいること、同じ時を一緒に過ごすこと、この単純な事実が最も重要なことであることを教えられます。
観光部門では、しょうがい者・こうれい者観光案内所を県内外で4箇所運営しております。平成19年に「那覇空港しょうがい者・こうれい者観光案内所」を、平成25年には、「国際通りしょうがい者・こうれい者観光案内所」を、平成30年には、「那覇バスターミナルしょうがい者・こうれい者観光案内所」を、令和元年には、県外初となる福岡空港に、「福岡空港しょうがい者・こうれい者観光案内所」を開所しました。そして、案内所を拠点として、様々な事業を展開してきました。
私達はこれまで、多くの困難を乗り越え、成長して参りました。コロナ禍で、観光部門は、非常に厳しい状況にあります。しかし、この賞をいただくことで、私達が再び立ち返る場所を改めて思い出すことができました。誠に有難うございました。
理事長 親川 修