認定NPO法人 JHP・学校をつくる会
1993年から主にカンボジアでの学校建設、教育支援、ボランティア派遣、国内での啓発活動、災害救援活動を行っている。これまでに360棟の学校を建設している。建設は現地の教育局からの要請に基づき調査を実施。教室の不足、校舎の老朽化や倒壊の危険性、全学年が収容できない、校舎以外の設備が必要など、各学校が抱える状況をスタッフが直接確認し、優先度の高い学校から建設する。
校舎の建設のみならず、トイレや井戸など、衛生施設の支援も一緒に行う。その際、衛生教本を使って、教員、生徒、コミュニティの人々に衛生指導も行う。これにより清掃する習慣がつき、生徒たち自ら学校をきれいに保とうとする成果があり、保護者も安心して学校に通わせられるようになる。
同国では正式な教科として後回しにされていた美術や音楽の芸術科目を教えられるように「初等科芸術教育支援事業」を2016年に開始し、生徒用の教科書や教員用の指導書づくりが本格的に開始された。教育のバリエーションを増やし、子どもたちが音楽や美術を通して豊かな感性や心の情操を育めるよう期待される。成人の識字教育の実施や、児童養護施設「幸せのこどもの家」の設立、日本の若者のボランティア派遣などを実施している。
今回、私どもの活動をご理解下さり、社会貢献支援財団様に表彰していただいたことを大変光栄に思います。
私は、1990年の8月、イラクによるクウェートへの武力行使によって勃発した湾岸戦争に際し、ヨルダン難民キャンプに出向き、はじめての海外ボランティアを経験しました。湾岸戦争時、「顔の見えない日本人」と批難されたことが行動の原点であり、共に活動した大学生の日々の成長に感動したことが、後のカンボジアでの活動に繋がっています。その後、タイ国境の難民キャンプを視察し、更に92年活動の調査のため、カンボジア入りしたあと、1992年7月から学生らと共にタイからの帰還難民の救援に汗を流しました。その時の活動を通じて、学校建設の必要性を痛感し、1993年9月15日に「カンボジアのこどもに学校をつくる会」を設立しました。1997年に「JHP・学校をつくる会」に改称し現在に至ります。
私どもは、「できることからはじめよう」をモットーに、主にカンボジアとネパールで教育支援を行っております。カンボジアに359棟、ネパールでも14棟の校舎を建設寄贈して教育支援活動に取り組んで参りました。また、音楽や美術教育の発展に基本創りから大きく関わっています。2016年にカンボジアの教育省(日本の文部科学省に相当)は教育改革の一環として、「芸術教科」を新たに設けることに決めましたが、JHPは、そのための協力を依頼され、さらにこの支援活動は、JICA(国際協力機構)の草の根技術協力事業として採択され、2016年8月から5年間の本格的な活動がスタートしました。また、2018年には、新しく成人識字教育事業を開始しました。これまでは子どもの教育支援に力を入れてまいりましたが、内戦の影響で十分な教育を受けられなかった大人たちにも教育を受ける機会を設けました。読み書きや計算の知識を得ることによって、より生産性のある職を自ら創造し、彼らの子どもを学校に通わせ、勉学意欲を促進することを期待しています。また、ボランティア派遣事業では、地球的視野を持つ日本の若者の育成にも取り組んでおります。カンボジアやネパールの子どもたちだけでなく、日本の学生の成長を見ると、明るい未来への希望を持つことができます。
JHPが25年以上に渡って活動を続けてこられたのは、たくさんの会員や支援者の方々が応援してくださり、協力してくださる大学や企業があるからです。今後も積極的に様々な支援活動を行っていきたいと考えております。新しい世代とも話し合い、より良い活動を続けてまいります。この度は、本当にありがとうございました。
代表 小山内 美江子